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【特集】フィルムカメラ×コンデジで巡る大田区 「羽田」「糀谷」さんぽ

今、若い人たちを中心にフィルムカメラやオールドコンデジ(2000年代初頭に販売されていたコンパクトデジタルカメラ)がリバイバルブームを巻き起こしています。簡単にきれいな写真が撮れる今の時代だからこそ、少し粗くモヤっとした描写や特有の色味が、写真に親しみやすさを与えているのかもしれません。そんなカメラのファインダー越しに、区の魅力を再発見するのが「フィルムカメラ×コンデジで巡る大田区」シリーズです。


※記事内の画像は、全てオールドコンデジ、またはフィルムカメラで撮影しています。
※値段表示は税込で、取材当時の情報です。


第3回となる今回は、地図のように「羽田」「糀谷」エリアをめぐります。



カメラを持って、「羽田」「糀谷」エリアに行ってみよう

まずは、大田区の南東部「羽田エリア」を訪れてみましょう。

羽田といえば、日本を代表する国際空港「羽田空港」があるエリア。先端技術や文化の発信拠点である「羽田イノベーションシティ」 やグルメやショッピングを楽しめる「羽田エアポートガーデン」が開発され、 近年は観光スポットとしても注目が集まっています。

華やかなイメージがある一方で、多摩川の河口部に位置する羽田は、かつては漁業のまちとして栄えた場所。周辺には自然豊かな干潟や緑地が広がっていて、散策にも気持ちがよいエリアです。

多摩川周辺


※フィルム
多摩川河川敷にやってきました。遠くに小さく羽田空港が臨めます。飛行機が離陸して空にあがっていく様子が見えました。


※コンデジ
川岸には、昔ながらの釣り船や屋形船が停泊する船着き場が点在し、独特の景観を形作っています。


※コンデジ
船の向こう側に見える立派な橋は、大田区と対岸の神奈川県川崎市とを結ぶ「大師橋」。歩道が整備されているので、徒歩で対岸に渡ることも可能です。

江戸時代から昭和の初期にかけて、この場所は「羽田の渡し」と呼ばれ、渡し船が運行していました。20~30人乗りの大きな船が、人の往来はもちろん、魚介類、農産物、衣料品などの物資を運び、人々の生活を支えていたそうです。その様子は、浮世絵師歌川広重の『名所江戸百景』にも描かれています。


歌川広重「はねたのわたし弁天の社」『名所江戸百景』
昭和14(1939)年に初代の大師橋が架けられたことで渡し船は廃止されましたが、今でも石碑が残り、当時の様子を伝えています。


※コンデジ

赤レンガ堤防

多摩川の近隣の道を歩くと、道沿いに、人の膝から腰高くらいの高さのレンガの壁が設置されています。これは、かつて多摩川の氾濫による水害から地域を守るために作られた堤防の跡(赤レンガ堤防)だそう。


※コンデジ
大正7(1918)年から昭和8(1933)年にかけて、多摩川の河川改修計画の一環として約1.6kmにわたり築かれ、太平洋戦争末期の城南大空襲では、赤レンガ堤防の外側が火災を免れる避難場所となり、地域住民の命や財産を守ったという記録が残っています。

水害や戦災から地域を守った赤レンガ堤防。現在はその使命を終えたものの、今でもこの地域の原風景になっています。


赤レンガ堤防の近くでカニを見つけました! ※コンデジ

萩中公園

次に向かったのは「萩中公園」。児童交通公園や、プール、野球場、芝生広場などの施設が揃い、家族連れに人気の公園です。

特にユニークなのは、実際に使われていた乗り物が展示されている広場、通称「ガラクタ公園」。レトロな乗り物がたくさんあり、思わずシャッターを押したくなりました!


都内唯一の路面電車「都電荒川線」の車両 ※フィルム

平成24年12月まで実際に使われていたそうです。※フィルム

運転席に座って遊ぶこともできます。※コンデジ

萩中公園でレトロを発見!
①③④⑤⑥フィルム、②コンデジ




萩中公園について詳しくはこちら!
https://unique-ota.city.ota.tokyo.jp/charm/life/haginakapark/

羽田エリアで七福いなりめぐりをするなら・・・
大田区商店街ナビ「おーたふる」が紹介している記事はこちら!
https://otakushoren.com/trip/6854

糀谷商店街振興組合

多摩川から少し離れて北側に向かうと「糀谷エリア」です。

中心部に産業道路が通るこのエリア。細い路地の両側には昔ながらの住宅と工場が立ち並ぶ独特のまちなみが広がっています。

駅の近くには、昔ながらの下町風情が残る商店街があり、多くの人で賑わっています。駅の南側にある糀谷商店街を歩いてみました。


※コンデジ
新しいお店と昔ながらのお店が共存するこの商店街。惣菜屋や八百屋、肉屋などの生鮮食品店もたくさんあり、通りには、お店の人の呼び込みの声が響きます。
店先を眺めながら、「今日の夕飯は何にしようかな」と考えつつ買い物をするのも楽しい時間になりそうです。

古民家カフェでひと休み

YOICHI レンタル古民家&キッチン 時々カフェ

近くに、レトロな雰囲気が魅力のお店(YOICHI レンタル古民家&キッチン 時々カフェ )があると聞き、訪れてみました。スパイスカレーとおやつをメインに提供しているお店です。

そこは、古民家を再生して作られた温かみのある空間。築70年ほどの平屋を約5年前にリノベーションし、今の姿に生まれ変わりました。


※コンデジ
もとは、店主のやよいさんのお祖父さまとお祖母さまが20代のころに購入し、家族の歴史とともに歩んできた家。しかし、ここ30年ほどは物置として利用され、荒れ果てた姿だったそう。

「この家に、もう一度命を吹き込みたい」との思いで、やよいさんは再生に挑戦。
設計士と相談しながら、残せる部分は残しつつ、最後の仕上げは友人や知人たちとともにDIYで進めたそうです。

その結果、懐かしさと新しさが融合した、ごっちゃ混ぜ感が楽しい空間が完成しました。


※コンデジ
現在は、週に3日カフェを運営し、それ以外の日は、レンタルスペースとして貸し出しもしています。

海外で育ち、23か国を旅した経験のあるやよいさん。カフェでは、旅で出会った味をインスピレーションに、インドやスリランカカレーの手法をベースに、日本人の口に合うようアレンジしたオリジナルのスパイスカレーを提供し、人気を呼んでいます。


カレーは日替わり。1種盛りから3種盛りまで選べます。写真はすべて2種盛り(1400円)。※コンデジ

YOICHIでレトロを発見!
すべてコンデジ






羽田空港に近い立地から、外国人旅行客も訪れます。気さくなやよいさんの人柄も魅力のお店です。
YOICHI  レンタル古民家&キッチン 時々カフェ
住所
東京都大田区東糀谷4-10-22
カフェ営業日時
金・土・日曜日 11:00~14:30

写真専門店に聞く!最近のカメラ事情

カメラのウエダ

フィルムカメラやコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)の人気の背景について、写真専門店「カメラのウエダ」の植田泰光さんと植田晃仁さんにうかがいました。

Q:最近、フィルムカメラが流行しているそうですね。

若い方を中心に、人気の高まりを感じます。撮った写真がどんな仕上がりになるのか、すぐにはわからないことに、新鮮さを感じている方が多いようです。また、撮影できる枚数に限りがあって、一枚一枚を慎重に撮らなくてはならない点もひとつの魅力ですよね。

フィルム撮影後は、現像したフィルムのデータをスマートフォンに送る『スマホ転送サービス』を利用する方がほとんどです。紙焼きで写真まで欲しいという方は少ないですね。

Q:フィルムやコンデジでの撮影のコツを教えてください。

フィルムやコンデジの写真は、きれいに撮れた方がよいとは限りません。むしろ、粗い仕上がりを楽しむ人が多い印象です。スマートフォンではどんな場面でもきれいに撮れますが、フィルムは少し暗めの印象に仕上がるので、それだけは注意してください。花火やイルミネーションの撮影は特に難しいですね。どんどん撮影して「次回はこうしてみよう」と改善を重ねると上達していくと思いますよ。

〈取材協力〉
カメラのウエダ
住所
大田区蒲田5-18-1


代表取締役の植田泰光さん(左)、3代目の植田晃仁さん(右)


「羽田」「糀谷」特集、いかがでしたでしょうか?

現在、ユニークおおたでは、「#uniqueota フォトキャンペーン2024」を開催しています。
「美しい風景」「楽しいイベント」「美味しいグルメ」「心が動いた瞬間」など、どんな写真でもOK! 大田区の「ここが好き!」と思ったものを写真に収め、「#uniqueota」「#おおた写真」とメンション@Unique_OtaをつけてX(旧ツイッター)に投稿してください。
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大田区内にはまだまだ注目のスポットがたくさんあります。あなただけの「おおた推し」スポットを見つけてみてください!見つけたスポットは、ぜひSNSへ投稿を。その際は#uniqueotaをつけてくださいね!

大田区シティプロモーションサイト「UniqueOta/ユニークおおた」では、「他にはない、大田区ならではのユニークな場所と出会えるまち」を合言葉に、区内のさまざまな魅力を発信中です。

ぜひ、あなたの興味あるコンテンツを探してみてください。次回の特集もお楽しみに!
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