日本画家・川端龍子主宰の美術団体で活躍した安西啓明が、得意とした人物画を中心に紹介
会期:2026年5月23日(土)~9月6日(日)
本展では、地域にゆかりを持つ画家・安西啓明(あんざいけいめい 1905-1999)を中心に紹介します。安西は、川端龍子(1885-1966)が主宰する美術団体・青龍社に属し、創立から解散に至るまで長く活躍した日本画家です。彼が得意とした人物を描いた絵画を取り上げていきます。
啓明が生涯の師となる龍子と出会ったのは、16歳のこと。やがて、彼は龍子の画室近くである池上本門寺(大田区)のそばに住居と画室を構えるようになります。その後、1933年(昭和8年)に結婚し家庭を築くようになった頃から、それまで静かな風景を描いていた啓明の絵に人物が登場するようになっていきます。啓明は、青龍社の社人推挙の際、師である川端龍子から「人物稚気満々、画事又偽り無し、依って又子供を描けば成功するという作者」と評されています。啓明が画題とした人物の多くは、彼の傍らで日々を暮らす妻やこども達でした。1930年代から1950年代まで、家族の成長を見守るかのような絵をいくつも残しています。
この展覧会では、戦時下の自宅の庭に伸びやかに茂る緑と野菜、そこで戯れるこども達の健やかな姿を描いた秀作《家庭菜園》(1944年)をはじめ、身近な人々にやさしい眼差しを向ける安西啓明の絵画を展示し、その魅力に注目していきます。
その他、2つの小展示もございます。展示室3では、令和7年度新規修復作品である佐伯米子《ある日の記憶》(制作年不詳)や元永定正《あかいまるはまんなかに》 (1985年)など、展示室4では、地域にゆかりの画家である仲田好江(なかだ よしえ 1902-1995)の油彩画と淡彩画をご覧いただけます。
この展覧会をとおして、大田区が所蔵する絵画の魅力に触れていただけましたら幸いです。

安西啓明《家庭菜園》1944年

