いざ、JAL SKY MUSEUMへ
東京モノレール「新整備場駅」で降りると、すぐにJALの大きな看板が目に飛び込んできます。
JALメインテナンスセンター1(JAL M1ビル)の中にある「JAL SKY MUSEUM」は、東京モノレール「新整備場駅」が最寄りです。到着するまで、モノレールの広い窓から空港や関連施設が一望でき、工場見学へのワクワク感を盛り上げてくれます。駐車場や駐輪場はありませんので、必ず東京モノレールかタクシーなどをご利用くださいね。
駅から徒歩2分ほどでJALメインテナンスセンター1(JAL M1ビル)に到着。
予約した時間の5分ほど前から受付が始まります。あまり早く着いても中には入れませんのでご注意ください。ツアー中の撮影は許可されていますが、SNS等にのせてはいけないものもあるので、ツアー前の注意事項をしっかり聞いてください。
(見学ツアーでは、新型コロナウイルス感染症対策として、「手の消毒」「距離の確保」「マスクの着用」をお願いしています)
では、ツアーのスタートです。
パスをもらってチェックイン
「JAL GUEST CARD」というパスを受け取り、このパスのQRコードをゲートにかざして入場します。このパスはミュージアム内でも使うので、首から下げておきましょう。最後はお土産として持ち帰れるとのこと。日付も入っているので、良い思い出になりますね。
ゲートを通過するとエレベーターホールにちょっとしたオブジェが。壁には旅行関連口コミサイト「トリップアドバイザー」で無料観光スポット1位を獲得した際の認定書が飾られていました。すごい!
ミュージアム体験① ~スカイランウェイ~
展示エリアのモチーフは、滑走路。実際の滑走路と並行に作られているのだそう。
まず、ミュージアム見学からスタートです。ここでは、フライトを支えるスタッフの仕事の紹介や史料展示などを自由に見学します。とにかく、時間経過があっという間。夢中になって、ひとつひとつじっくり見入っていると時間が足りなくなるので要注意です!
スタッフがどんなところでどんなお仕事をしているのか、マップ形式で紹介。わかりやすい!
「運航乗務員」「客室乗務員」「グランドハンドリング」「グランドスタッフ」「整備士」といったJALスタッフの仕事内容などが大型のマルチディスプレイによって紹介されています。
お仕事紹介とともに、スタッフが実際に使っている道具の展示や豆知識などもあります。
展示エリアには7つのQRコードリーダーが設置されています。ここで、入館の際に受け取ったパスが活躍。パスのQRコードをかざすと、スタッフの仕事にまつわる「空のトリビア」がゲットできます。
トリビアの内容は面白いものばかり。実際に行って、体験してみてくださいね。
展示エリアでひときわ目を引くコックピットのモックアップ(実物大模型)は、JTA737のフライトシミュレーターとして活躍していたもの。操縦かんは固定されていますが、操縦席に座ってスイッチなどに触れることも可能です。
とにかくスイッチの多さにびっくり!
操縦席って、想像していたより意外と狭いなぁというのが率直な感想。
「JALスカイスイート」や「JALスカイプレミアム」のシートも体感できます。快適、快適!
ミュージアム体験② ~アーカイブゾーン~
歴代の制服やモデルプレーン、グッズの展示など、JALの歴史を物語るアーカイブゾーン。“航空史ではなく、航空文化史を伝える”というコンセプトのもと、JALだけではなく、日本の空の歴史にも触れられます。
歴代の制服は、通路中ほどに設置されているので、後ろからも見ることができるのは新鮮。
グッズコーナーでは、それぞれの時代の思い出話に花を咲かせる参加者も多いそう。
歴代の機体の模型が並ぶコーナーは、見ているだけでワクワクします。
ミュージアム体験③ ~ほかにも魅力的な展示がたくさん~
デジタルディスプレイに囲まれたフューチャーゾーンは、未来に向けた取り組みを紹介するコーナー。タッチパネルに触れると、「テクノロジー」「食」「宇宙」など、ジャンルごとに3方向に映像が映し出され圧巻です。
未来がテーマのフューチャーゾーン。異次元空間に放り込まれた感覚です。
ほかにも、皇室フライトや特別フライトについての展示や、東京2020オリンピックの聖火を運搬したフライトの様子が紹介されているコーナーもあります。今回のリニューアルの最大の見どころは、デジタル化による情報量の増加と見せる演出へのこだわり。車いすの方もしっかり見学できるよう、展示エリアにさりげなくスペースが作られているのも素晴らしいですね。
東京2020オリンピック聖火を日本に運んだのはJAL/ANA共同機でした。
必ず立ち寄って欲しいのが、ミュージアムショップ。ここでしか買えない「JAL SKY MUSEUM」オリジナルグッズがたくさん。そのほかのグッズも、空港の売店より1~2割安く買えるのだとか。このあとの格納庫見学からは戻って来られないので、このタイミングでお買い物を。
いよいよ飛行機に会える!格納庫見学
スタッフのガイドのもと、約50分で格納庫を見学します。こんなに間近に飛行機を見られることはないので、驚きの連続です。スタッフの方も、貴重なエピソードを交えていろいろなことを教えてくれて、本当に楽しい!
格納庫の扉が開いた瞬間、パーっと格納庫内の景色が開けます。おそらく誰もが感嘆の声を上げてしまう瞬間です!
いよいよ格納庫へ!入口の扉が開く瞬間はドキドキします!
まず、第1格納庫を見学します。とにかく広い!高さ40m、奥行き100m、幅175m。主に定期点検を行う格納庫で、最大3機を格納できます。
第1格納庫の大きさは、東京ドームのグラウンド部分と同じくらいだそう。
*moreトリビア*
格納庫は「ジャッキアップ工法」という特殊な工法で造られています。庫内に柱はありませんが、震度7の地震にも耐えられるそうです。
整備士のみなさんが実際に作業しているすぐ近くまで行くので、安全のため赤いヘルメットを着用して参加します。
連絡橋を渡って、第2格納庫へ。幅が約200mあり、第1格納庫より広くなっています。主に修理を行う格納庫で、同時に6機入ります。この日は「ウェイト&バランス作業(体重測定)」中。わずかな風でも誤差を生むため、格納庫の扉がすべて閉まっていました。
格納庫の扉が開いていると、離陸する飛行機が見えるのだとか。
この日は、ボーイング737、767、エアバスA350が入ってきていて、大勢の整備士さんたちが忙しそうに作業をしていました。巨大なネジをクレーンで吊って移動していたり、取り下ろしたエンジンが置いてあったり。あらためて飛行機の大きさを実感しました。
*moreトリビア*
工場内でクレーンが動く時は、事故防止のためメロディーが流れます。横に動く時と縦に動く時では、違う曲を流すそうです。
ボーイング737の取り下ろしたエンジン。ボーイング社の飛行機を購入する際、エンジンは複数のメーカー(ロールスロイス社、ゼネラルエレクトリック社、プラットアンドホイットニー社)から選べるそうです。
第2格納庫の片隅に、日本初のジェット旅客機・ダグラスDC-8(FUJI)号の機首部分が保管されています。“空の貴婦人”と呼ばれた美しい飛行機で、ビートルズが同機種で来日したことは有名です。
まだGPSのない時代なので、航空士が上の小さな窓から月や太陽、星の位置を見て、どこを飛んでいるのか、どう飛ぶのかを判断していたそう。
作業工程の掲示板。遠くから見てもわかるように、格納庫壁面のかなり高い位置に設置されていました。エアプレーンやエアクラフトではなく、シップ(船)なのですね。
*moreトリビア*
飛行機は常に左側がメイン。搭乗口も左側。機長の操縦席も左側。これら運航に関するルールは、運輸・運航の大先輩である船にならっているそうです。
格納庫での日常的な点検作業などは、飛行機が稼働していない夜間が中心となります。JALの整備士さん約3,200人のうち羽田で働いているのは1,400人程。最近では、女性の整備士さんも増えていて、全体の約1割が女性とのこと。
点検や修理に大勢の整備士さんが携わっていました。乗客の安全を守るため、日夜がんばってくれています。
見学終了…もっと見たかった
約50分間の格納庫見学もあっという間に終了。JALの初期を支えたFUJI号のエピソードや飛行機の機体番号の付け方など、飛行機にまつわるあれこれをたくさんお話しいただきました。飛行機に詳しくなくても、楽しめるツアーです。ぜひ参加してみてください。
最後に、JALの方にお話をお聞きしました
右:日本航空株式会社 総務本部 ESG推進部 社会貢献グループ統括マネージャーの渡辺泰彦さん、
左:日本航空株式会社 総合政策センター 調査研究部 部長代理の細島道博さん
※撮影時のみ、マスクを外しています。
今回、案内してくださった日本航空株式会社の渡辺泰彦(わたなべやすひこ)さん細島道博(ほそしまみちひろ)さんにお話を伺いました。
――リニューアル後、ようやく再開できましたね
リニューアルが完了してもコロナ禍ですぐには再開できなかったので、本当にようやくといった感じですね。以前はひと月に約1万人、1日4~5回、1回100人を受け付けて開催していたので、年間約12万人の方にお越しいただいていました。新型コロナが終息していないため、今は1日2回、1回30人の限定。1か月前の予約開始から1分ほどで予約が埋まってしまいます。心待ちにしていてくださっている方々にもなかなか参加していただけず、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
――リニューアル後、どこに注目してもらいたいですか
デジタル化したことですね。デジタルコンテンツを増やしたことで、充実した情報の提供と、内容を変更しやすくなったことが大きいです。見て楽しむアナログの展示と触れて楽しむデジタルの展示が両立しているのが新しい魅力になっていると思います。
――これまでの来場者の年齢層は
あらゆる年代の方にお越しいただいています。ご家族だったり、ご友人同士だったり、ご高齢の団体のこともあります。小学校の社会科見学や専門学校の学生さん、企業の研修などでもいらっしゃいます。本当に幅広い年代の方に楽しんでいただける施設になっています。
――今後はどんな方に参加してほしいですか>
この業界に興味のある方はもちろんですが、ここでの思い出をきっかけに、将来、空の旅にJALを選んでいただけたらという思いもあります。とにかく多くの方々に楽しんでいただくことが何よりうれしいですね。