平和島公園のシンボルでもあるカリヨン(鐘)と噴水
京急線平和島駅より徒歩10分。アクセスしやすい平和島公園には、自然の地形を模して造られた3つのキャンプ区画があります。かつては1区画1サイトだったのですが、利用者のニーズを受け、2022年に18サイトに増床しました。
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サイト……テントなどを張って生活の拠点とするスペースのこと
リニューアルに加え、管理人さんによる毎日の丁寧な整備により「炊事場もトイレもきれいで使いやすい」と、キャンパーから評判の高いキャンプ場です。
各区画の特徴を詳しく確認していきましょう。
● A区画:遊具広場に隣接していて、人工の川が周囲を流れている。
● B区画:ハンモックボールやウッドデッキが設置されたサイトがある。
● C区画:コンセルリンクがあり、C区画内の全サイトを予約すると、キャンプファイヤーができる(キャンプファイヤーは、事前に大森消防署への届け出が必須)。
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コンセルリンク……焚き火台、ファイヤーサークルとも呼ばれる
A区画には滝のある清流が流れ、子どもが遊べる遊具広場も隣接しています
左の写真はB区画。手前にウッドデッキがあります。右はC区画の全景です
「A区画は遊具広場のすぐ横なのでご家族連れに、B区画はサイト同士が近接していないのでプライベート空間を重視したいキャンパーに人気です。C区画は大型テントを使いたい方が多いです」と話すのは管理人の井出雄矢さん。A・B区画はサイトごとにテーブルやカマド、ウッドデッキやハンモックハンガーなどの設備があるため「C区画よりやや割高」とのことですが、それでもリーズナブルな利用料金となっています。
〈1泊キャンプ情報〉※日帰り利用の詳細は公式HPでご確認ください。
利用時間:17:00~翌9:00(利用手続きは~18:30まで)※18歳未満だけの利用は不可。
当日利用の場合は18:30までに管理事務所で受付。
利用人数:人数制限はありませんが、使用面積から各サイト4~6名ほどの利用が目安。
税込利用料(1区画ごと) | 区内在住・在勤者 | 区外在住者 |
A・B区画 | 1,000円 | 1,200円 |
C区画 | 800円 | 960円 |
その他の注意事項:ペット不可。キャンプ場でのレンタル品、販売品はなし。残り炭や灰を含むゴミは持ち帰り。
公式HP:https://www.city.ota.tokyo.jp/shisetsu/sports/camp/heiwajima_camp.html
利用したいサイトと日程が決まったら、大田区の公共施設利用システム「うぐいすネット」から予約をしましょう。申込多数の場合、利用は抽選となります。
公園では機材のレンタルや食材の販売はありませんが、車で5分とかからないところに大型商業施設があります。この利便性は都心キャンプならでは。
キャンプ場の設備の一例。公園内にはバリアフリートイレも設置されています
キャンプの楽しみといえばアウトドア飯。各区画に炊事場がありますので、調理はそちらで行いましょう。カマドが設置されているサイトもありますが、それ以外の場所でバーベキューコンロなどを置きたい場合はたき火シートを持ち込むか、施設内のブロックを使いましょう。
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たき火シート……耐火・耐熱のシート。下の写真のテントの前、たき火台の下に敷かれているのがたき火シート。熱や火の粉から地面を守ります。
▲サイト内にあるブロック。この上でも火を使えます
▲手前のシートがたき火シート
公園内で予約不要で楽しめる場所として、遊具広場のほかにプールがあります。1年中利用できる屋内には25mプールと幼児用のプールが、夏季だけ利用できる屋外にはなんと50ⅿの大型プールと子ども用プールが完備されています。隣接する平和の森公園には、40種類もの遊具が設置されたフィールドアスレチックもあります。それぞれ利用料はかかりますが、子どもたちの遊び場として大人気です。
大田区平和島公園プール
https://www.heiwajima-pool.jp/
平和の森公園フィールドアスレチック
https://www.city.ota.tokyo.jp/shisetsu/sports/fieldathletics.html
本格的な遊具がそろう、平和の森公園フィールドアスレチック
「都心では自然を感じながら遊べる場所が減ってきています。当キャンプ場は都心からもアクセスしやすく遊具広場もあります。お子さま連れのご家族には積極的に利用してほしいです」と管理人の井出緑さん。もう1つ平和島公園で注目したいのが、管理人さんたちが大切に育てている植栽と四季折々の景観です。
取材当日(初夏)には美しいオリエンタルリリーが咲き誇り、管理人さんが吊るした風鈴が涼しげな音を響かせていました
春にはボタンやチューリップ、夏にはアジサイやアメリカンフヨウ、秋にはヒガンバナやモミジなどが来場者を出迎えてくれます。さらに園内の看板にも注目。よく見ると、ほとんどが手書きなのです。公園を守る方々の細やかな気遣いとあたたかみが随所に感じられます。
左から春のボタン、秋のモミジ、冬のフクジュソウ
管理人さんより
当キャンプ場を快適に利用できるのは、利用者の皆さんがルールをしっかり守ってくださるからです。都心のキャンプ場は、足りないものがあればすぐに買い物に行けるし、どうしても困ったらキャンプを止めて帰ることだってできます。「いつか山でキャンプをするのが夢」という初心者のキャンプスタートの場としてはぴったりではないでしょうか。当キャンプ場は、住宅街もある都心に位置するため少しルールが厳しいかもしれません。でもこれを守れる方ならばどこのキャンプ場でも楽しめるはず。大自然でのキャンプデビューも遠い夢ではありませんよ。
井出雄矢さん(左)と緑さん(右)親子は、15年以上、キャンプ場を管理しています