実際に六郷BASEに入居している企業の代表の方にもお話をうかがいました。
2018年2月に株式会社ウエストヴィレッジを起業した西村仁志さん。六郷BASEのシェアードオフィスに入居しています。
主な事業内容は、衣類を中心に雑貨、食器、家電などのさまざまなアイテムを取り扱うリユースショップの運営です。古着の買い取りから販売までを一貫して行う店舗を5店舗、無人で古着を販売する店舗を2店舗、合計7店舗を経営しています(2024年3月現在)。
株式会社ウエストヴィレッジ 西村仁志さん
――起業のきっかけを教えてください。
私が起業した当時、大田区内には、古着の買い取りや販売をしているお店が少なく、不要になったけれども捨てるに捨てられない古着の処分に困っている人が多いのではないかという印象がありました。そこで、それまで勤めていた大手リユースショップチェーンで得たノウハウを活かし、地域の皆さまが普段よく利用する商店街の中に、衣料品を中心に、買い取りから再販売までを行うリユースショップを作ることに決めました。
ショップでは、持ち込まれた商品の中からまだまだ使えそうなものを選別して、地域社会の中で循環させています。価格帯は500~1,000円程度が中心です。販売できないものは、専門の業者を通じて海外に輸出してなるべくごみにならないようにしています。
1店舗目となった「ウエストヴィレッジ梅屋敷店」。順調に店舗数を伸ばし、現在では7店舗を経営しています
ウエストヴィレッジ店舗内の様子。衣料品を中心に、さまざまな商品が並んでいます
――六郷BASEに入居した理由は何ですか?
店舗数と従業員が順調に増え、事務処理などを行う専用スペースが必要だと感じていた時期に、六郷BASEがオープンすることを知って入居を決めました。それまでは店舗の一角で事務作業などを行っていましたが、集中できる環境ができてありがたく思っています。また、経営者として時に悩みを抱えることもありますが、そんなときに六郷BASEのスタッフに話を聞いていただけるのもありがたいですね。
――六郷BASEに入居したからこそ、実現できたことはありますか?
不要な洋服をリユースショップに持ち込むのは面倒だと感じる人のために、区内の商店街や住宅街に「ECO服BOX」というリサイクルボックスを設置しました。こちらに持ち込まれた服は、主に当社の無人店舗「いっぷくや」で再販売しています。
「ECO服BOX」の制作に、六郷BASEの試作室を利用しました。また、六郷BASEの紹介を通じて、「ECO服BOX」の最初の設置場所は水門通り商店街の一角を使わせていただき、順調にスタートさせることができました。※後に水門通り商店街に出店したため、現在は店舗内に移動しています。
無人で古着を販売している「いっぷくや」。無人販売によるローコストの運営で実現した300円均一の値付けも特長。売り上げの一部は大田区の社会福祉協議会に寄付をして、地域に還元しています
――六郷BASEに入居している他の企業の皆さんとは、どのような交流をしていますか?
六郷BASEのコワーキングスペースに入居している株式会社モノマネとは、マーケティングや戦略のアドバイスなどをいただく形で協業しています。株式会社モノマネは、主に家庭のモノを管理しフリマへ自動出品するアプリの運営をされている企業ですが、リユースやリサイクルを増やしたいという思いが一致して意気投合しました。私自身は、長期的な視野に立った戦略を練ることがあまり得意ではないので、お力添えをいただけて大変ありがたく思っています。
起業というとハードルが高い印象がありますが、六郷BASEでは、夏休みなどに親子を対象にしたイベントも実施しており、一般の方々にも門戸が開かれています。起業に興味のある方はもちろん、新しいビジネスのアイデアが形になる場所のエネルギーを感じるだけでも大きな刺激が得られるかもしれません。興味のある方は、ぜひ訪れてみてください。
大田区発の新たな価値を生み出す高架下開発
「梅森プラットフォーム」
大田区には、六郷BASEの他にも、新しいビジネスに挑戦する人々を応援する施設が存在します。
京急線の大森町駅から梅屋敷駅間までの高架下に、2019年4月に誕生した「梅森プラットフォーム」。ものづくりの技術に長けた町工場の立ち並ぶ周辺地域と、カルチャーやクリエイティブなどの新たな知性が交錯する拠点として、地域のものづくりをアップデートすることを目的に開発されました。
梅森プラットフォームには、「創業支援施設」「コワーキングスペース」としての役割を担う「KOCA」という施設があり、ハードウェアのスタートアップ企業、デザイナーなど、創業前から創業5年程度の事業者を中心に、多彩な企業が入居しています。
入居者同士や、入居者と地域の事業者がコラボレーションすることで、地域で培ってきたものづくりの技術を活かした新たなプロダクトが誕生するなど、ものづくりの未来に向けた新たな可能性を生み出しています。
大田区内にはまだまだ注目のスポットがたくさんあります。あなただけの「おおた推し」スポットを見つけてみてください!見つけたスポットは、ぜひSNSへ投稿を。その際は#uniqueotaをつけてくださいね!
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