梅は昭和51(1976)年に「区の花」として制定されました。古くから大田区の土地になじみ、歴史的な由緒も深い梅。花は気品に満ち、早春の寒さに負けず咲くその姿は、 若い世代の人が多い大田区には特にふさわしいものとして選ばれました。
区内には多くのおすすめ梅スポットがあります。こちらの記事では、大田区立宝来公園を紹介します。
(記事後半では、宝来公園の歴史に関する記述もございます)
田園調布駅から放射状に伸びるイチョウ並木の南西の端に位置する、緩い傾斜地と低地の池周辺の自然林を生かした閑静な公園です。園内にはウメ、サクラ、クヌギなどの花や樹木が茂っており、武蔵野の面影を残す四季折々の自然の美しさを楽しむことができます。湧水のある池にはカモなどの生き物がおり、5月にはキショウブが咲きます。また、アカガエルの生態に配慮した噴水も設けられています。
公園概要
所在地 大田区田園調布三丁目31番1号
アクセス 東急東横線・東急目黒線田園調布駅より徒歩6分
主な樹木 アカマツ、サクラ、ウメ、ツバキ、スダジイ、クヌギ、コナラ、クスノキ、モチ
梅の写真
宝来公園の歴史
この公園は大正14(1925)年に田園都市株式会社が武蔵野の旧景を保存し、永く後世に伝えることを目的に汐見台の一角を公園用の広場として残したことを起源とします。
下段に掲げた設計図(概念図)は大正12年1月版『田園都市案内』に掲載されたもので、すでに設計図の段階で、同心円のパターンが見られること、放射道路は全て駅への見通しを予定していたことがわかります。その一方で、現在の宝来公園にあたる部分から「多摩川停車場」方面に続く広大な緑地帯(公園)は実際の造成にあたっては大幅に縮小されるなど、計画段階から変更を余儀なくされた部分も見受けられます。
広場の管理は当初地元住民らで結成された田園調布会に委ねられますが、昭和9(1934)年に東京市に寄付され、市の整備を経て市営の公園として改めて開園式が行われました。そして、昭和25年10月に都から大田区に移管され現在に至っています。
多摩川住宅地計画図 大正12(1923)年1月版『田園都市案内』 (大田区立郷土博物館蔵)
宝来公園 昭和58(1983)年7月31日撮影
大田区内のおすすめ梅スポットまとめはこちら
https://unique-ota.city.ota.tokyo.jp/charm/health/plum_unify/