金澤翔子さんの画廊を訪れて -「共に生きる」まちで-

 

今年の夏から秋にかけて全国で、映画-「共に生きる」書家 金澤翔子-が上映中の金澤翔子さんの画廊を紹介します。

ダウン症の書家として国内外で活躍する金澤翔子さん。今回ご紹介する画廊は令和4年7月に東急池上線久が原駅から5分ほどのところにオープンしました。画廊の前を通り過ぎるとき代表作「共に生きる」と書かれた看板と、ガラス窓越しに展示されている作品に圧倒され、つい歩みを止めて見入ってしまいます。

 

 

画廊はどなたでも入場できます(入場無料)。

力強い書が並ぶ空間に入ると翔子さんの魂が込められた筆跡が見る者の心の琴線にふれます。運が良ければご本人にも会えるかもしれません。

画廊を訪れた記念にポチ袋やしおり、カレンダー等を購入することもできます。

2階は書道教室です。

 

 

金澤翔子さんは、5歳から母泰子さんに師事し書を始めました。NHK大河ドラマ「平清盛」の題字を揮毫し、一躍国民的な書家としてその名を轟かせました。また、伊勢神宮、出雲大社、法隆寺、東大寺などの名だたる寺社に書を奉納、国連本部で開催された「世界ダウン症の日」記念会議に日本代表として出席し、スピーチを行ったり、ニューヨークやロンドン、プラハ、サンパウロ、シンガポールなど世界各地で個展や公演を開催するなど多くの方に鑑賞され、活躍されています。

 

久が原のまちで翔子さんとお母様

 

大田区で育ち、書家としてその名のごとく羽ばたいた翔子さんですが、映画では障害を抱えた子と親の葛藤も描かれています。画廊が建つライラック通り久が原商店街のカフェや菓子店などで地域の方と触れ合う翔子さんの姿がとても印象的です。また、地元の小学校では揮毫をおこない、児童が書の世界を体験する機会を提供するとともに交流を図るなどの活動も意欲的にされています。

久原小学校での揮毫のようす

 

 

「共に生きる」という書に込めた思いを母泰子さんに伺いました

東日本大震災の際、雪が降って、被災者がつらそうにしているのをテレビで見て、翔子さんは助けに行く、今すぐ雪を止めるよう頼んでほしいと訴えたそうです。被災地に行き雪を止めることはできなくても、心は応援している、被災地と共にあるという想いを込めて書いた書が「共に生きる」です。

 

久が原の地でダウン症としては当時初と言われた一人暮らしをした翔子さんは、8年の間に生活の中でまちに共存するように個人商店にも通いました。商店街もそんな翔子さんを助けてくれました。まさに、まちと共に生きています。

大田区から世界へと羽ばたき、大田区で「共に生きる」を実践されている翔子さん。

そんな翔子さんの息吹に触れることができる画廊に皆さんも訪れてみてはいかがでしょうか。

画廊について

住所:大田区久が原三丁目37番3号 ※久が原銀座商店街内

(東急池上線久が原駅より徒歩5分)

開廊時間:午前11時〜午後8時

入場無料