体験健康・スポーツ田園調布エリア蒲田エリア

【特集】スポーツで心身共に健康に! 仲間づくりにも! 身近な「総合型地域スポーツクラブ」で身体を動かそう(前編)

「総合型地域スポーツクラブ」とは、住民が身近な地域で複数の種目のスポーツに親しむことを目指したスポーツ活動団体です。子どもから高齢者まで、年齢、技術レベルなどに応じて参加することで、体力・健康づくりにつながったり、スポーツを楽しむ中で運動能力が高まったりと、いいことずくめです。そして仲間や居場所づくりの場になったり、地域のコミュニティとしての働きを果たしたりする可能性も秘めます。
この総合型地域スポーツクラブは、地域住民によって自主的かつ主体的に運営されているのが特徴です。
大田区に登録されている総合型地域スポーツクラブは2022年12月現在で10団体。この中から4つの総合型地域スポーツクラブを前編・後編2回に分けて紹介します。

あなたも参加してみたいスポーツがあるか、探してみてくださいね!

新しいスポーツやめずらしいスポーツが体験できる

NPO法人スマイルかまた

スマイルかまたは、蒲田地区(蒲田西、蒲田東、矢口、六郷、糀谷、羽田)で活動するスポーツ&カルチャークラブです。こちらのクラブの特徴は、ママと赤ちゃんが一緒に楽しめるダンスクラスやシニアに向けた筋力アップ体操、ユニバーサルスポーツのボッチャや手のひら健康バレー、ペガーボールなど、幅広い世代・層の方々が活動を楽しめるように工夫されていることです。またスポーツだけでなく、ウクレレ教室やお茶会などの文化活動も行われています。

ニュースポーツとユニバーサルスポーツに強み


渡邉一代事務局長(右)と佐藤元子副代表

事務局長の渡邉一代さんにお話を伺いました。

スマイルかまた設立のきっかけは、スポーツを通して参加者同士がつながる居場所作りをしたいと考えたことからです。小さい赤ちゃんがいて身動きがとれない、シニア世代で友人・知人がいない、障がいがあってなかなか外に出られない……。そんな方々に近所で気軽にスポーツに親しむ機会を持ってもらいたいと考えて活動しています。

スマイルかまたでは、巨大なボールを使う球技のキンボールやカキラ(肋骨エクササイズ)、木製の棒をピンに当てる投てき競技 モルックなどといったニュースポーツを多く取り上げています。その理由は、こういった新しくてめずらしい種目は、スタートが皆同じ分、幅広い世代の方が同レベルで楽しめると考えているからです。また、パラリンピックで一躍認知度を上げたボッチャや、鬼役にボールを当てる数を競うペガーボールなどのユニバーサルスポーツも、体験会を含めて多く企画しています。

企画を考えるのは大変ですが、参加された方々が笑顔で楽しんでいるのを見るとやってよかったなと心から感じます。ふだん身体を動かす機会のない方から「久しぶりに身体を動かすと気持ちいい」との声を聞くとうれしいですね。
これからもいろいろ工夫して、みなさんに喜んでいただけるように運営していきたいと思います。ご興味のある方はぜひお気軽に参加してみてください。

「オムニキン!!」と大声で叫ぶのが新鮮

羽田中学校体育館で行われているキンボール(正式名称:キンボールスポーツ)を取材させていただきました。

キンボールとは、直径122cm、重さ1kgのボールを使用するカナダ発祥のニュースポーツ。ピンク、グレー、ブラックのゼッケンをつけた1チーム4人の3チームで、チームメンバーと協力し合って、ボールを落とさないようにラリーを続けます。


キンボールの大きさは、運動会の大玉転がしのボールとほぼ同じ。材質はナイロン製でよく弾みます

試合は3人でボールを支え、もう1人が手または腕でヒット(サーブ)するところから始まります。
その際必ず「オムニキン!!」と大きな声で言い、そのあと自チーム以外のゼッケンの色をコールします。コールされたゼッケンをつけたチームはヒットされたボールを床に落ちる前に受けとらなければなりません。落としてしまうと、失敗したチーム以外の2チームに点数が加算されます。つまり、まったくボールに触れずに自チームに点が入ることも。独特ではありますがルールは簡単、でも意外に運動量は多そうです。ちなみに「オムニキン」とは「すべての人が楽しめるスポーツ」という意味の造語なのだとか。

見た目より運動量が多くてあなどれません

参加メンバーの中山政江さんにお話を伺いました。

今年で始めて4年目になります。お友だちから「キンボールっていう大きなボールを使ったスポーツがあるよ」と紹介されたのがきっかけで始めました。ユニークな見た目以上に運動量が多く、激しい部分もあるのが面白いですね。

月に2回、平日の夜に集まって汗を流すのは気分転換になりますし、とても楽しい。コロナ禍の影響で人数が集まりにくくなってしまっているのが残念ですが、以前のように人数がそろってたくさん試合が楽しめるようになるといいなと思っています。
まだまだめずらしいスポーツなのでお友だちに自慢もできますよ。一緒にやってみませんか? お待ちしています。


左から担当(C級レフリー)の江川英美さん、参加メンバーの中山政江さん、担当(C級レフリー)の亀水有紀子さん。江川さん、亀水さんはスマイルかまたにキンボールが導入されて以来のメンバー
[スマイルかまた活動種目・教室]
・卓球
・筋力アップ体操
・キッズ剣士クラス
・キンボールスポーツ
・バドミントン開放
・ボッチャ
・カキラ(肋骨エクササイズ)
・キャッチボール教室
・殺陣エクササイズ
・ママとベビーのダンスクラス
・ダンスdeスマイル
・スポーツdeスマイル
・エアロビクス
・ポールウォーキング
・ハイキング
・家族で楽しめるお茶会
・ウクレレ教室
*このほか、手のひら健康バレー、ペガーボール体験教室、キャッチボール教室なども開催しています。詳しくはHPをご覧ください。
http://smile-kamata.com/


元プロ野球選手 ヤクルトの副島孔太選手(大田区出身)を招いての野球教室

プロの俳優が講師を務める殺陣エクササイズ。子ども向けにキッズ剣士クラスのプログラムもあります

ママとベビーのダンスクラス。親子一緒に楽しめるので人気があります

カーリングのストーンにキャスターをつけたフロアカーリング。障がいのある方も一緒に遊べます


大田区民必読! 大田区広報紙「おおた区報」は月3回発行

令和4年 12月21日号の「おおた区報」区民活動紹介コーナーに、スマイルかまたが掲載されたのをご覧になりましたか? 
「おおた区報」とは、区からのお知らせや区の施策、各種事業、暮らしの情報、イベント、講座・講演などを区民の方にお知らせする広報紙です。発行日は、毎月1日、11日、21日(1月を除く)の月3回で、1日号の「区民のひろば」のコーナーでは、地域で活動するサークルなどの情報も掲載されています。
1日号は区内全戸に配布、11日号、21日号は新聞折り込みで配布していますが、発行日以降は区内鉄道各駅に設置されている広報スタンド、区内のセブンイレブンや銭湯にも置いてあります。
また、大田区のHPや大田区LINE公式アカウント、大田区公式Twitter、スマートフォンアプリ「マチイロ」でも配信しています。
おおた区報:https://www.city.ota.tokyo.jp/kuho/index.html

「おおた区報」令和4年12月21日号(左)と令和5年1月1日新年号(右)


幅広い年代が楽しめるプログラムがいっぱい

一般社団法人 田園調布グリーンコミュニティ

田園調布グリーンコミュニティは、「田グリ(デングリ)」の愛称で親しまれている地域スポーツとカルチャーのクラブです。田園調布地区(田園調布、田園調布南、雪谷大塚、雪谷、久が原)を中心に活動しています。
子どもからシニアまで、あらゆる世代の方が気軽に参加できるプログラムが揃っています。

「あの先生に習いたい」が実現する講師陣


黒崎あつみ業務執行理事
田園調布グリーンコミュニティ業務執行理事 黒崎あつみさんにお話を伺いました。

田グリは、「誰もが気軽に集え、身近なスポーツや文化活動を通じて新しい地域コミュニティを作りたい」という思いのもと、2011年に創設されました。

田グリの特徴としては、シニア会員の数が多いことと、指導員の質の高さがあげられます。例えば、現在ポールウォーキングの講師をお願いしている倉方先生は、大田区のフィットネス界では卓越した指導力で知られる存在です。その先生が指導する講座ということで、「倉方先生が教えてくれるなら田グリに行こう」と受講を決める方もたくさんいらっしゃいます。講師の質を高めることで参加者の満足度向上に努めています。

プログラムを企画する場合は、地域の実情に応じて考えることが重要となります。コロナ前までは「オール田グリ遠足」がありました。みなさんとバスで少しだけ遠出をし、ポールウォーキングやノルディックウォーキングを楽しみました。目的地の公園で田グリプログラムである太極拳を体験したり、温泉、食事、買い物をしたりするのですが、普段会わないような会員さん同士が出会って誘い合い、新たなプログラムを受講されるようになることもあり、非常に人気がありました。コロナ禍が落ち着いたらまたやりたいですね。

ポールを使うので上半身が伸びて姿勢が整う

朝10時、多摩川駅から徒歩1分の田園調布せせらぎ公園に、徐々に人が集まってきます。足元はウォーキングシューズ、手に2本のポールを携えた参加者の数は15人。談笑しながらプログラムのスタートを待ちます。


田園調布せせらぎ公園の芝生広場からスタート。入念にストレッチなどのウォーミングアップを行います。
講師の倉方先生がコーチとアシスタント2人と共に到着し、明るいあいさつとともにストレッチが始まりました。アキレス腱や肩甲骨周り、背筋などを入念にストレッチしたあとはポールの使い方や注意事項を復習してから、いよいよウォーキングに出発します。


左からアシスタントの近藤友希さん、講師の倉方てる美さん、アドバンスコーチの藤井弘子さん

先頭と最後尾に指導者がつき、交通の妨げにならないように一列になって歩きます
この日のコースは多摩川駅の高架沿いを田園調布駅に向かい、多摩川台公園を経て田園調布せせらぎ公園に戻る行程です。途中、宝来公園で水分補給とトイレ休憩。いくらかホッとした空気が漂います。

休憩時間中に倉方先生による脳トレクイズが出題され、参加者が頭をひねります。
先生曰く「たとえ答えがわからなくても、『あっ』とひらめくアハ体験が重要」とのこと。解答を聞いた参加者全員が「うんうん」と大きくうなずき合い、アハ体験を高めます。ただ歩くだけでなく、こういう時間も大切なのですね。


宝来公園で記念撮影。アハ体験のあとは表情も晴れやか
この後、多摩川沿いの多摩川台公園に出て、さらに歩きます。多摩川べりからはきれいな富士山を見ることができました。ここまで来たら、ゴールの田園調布せせらぎ公園はすぐそこです。約1時間半、8,000歩の行程にピリオドを打ちます。
メンバー全員が到着するのを待って、倉方先生の指導によるストレッチを行い、解散となりました。


多摩川台公園内をウォーキング。対岸のビルのすきまから富士山が顔をのぞかせていました
「倉方先生の指導が受けられるなら」と、田グリに決めました

参加者の青木君江さんにお話を伺いました。

コロナ禍でフィットネスクラブをやめて以来、何か身体を動かせるものはないかと考えているときに出会いました。
決め手となったのは講師が倉方先生だったこと。以前行っていたジムのインストラクターとして大田区では有名な方だったので即断しました。初回はお試しでポールを借りることもできるんですよ。
姿勢がよくなるし、外を歩くので気持ちもいい。最近は、お買い物の帰りも遠回りして歩く習慣が身につきました。先生の指導で肩甲骨に意識を向けるようになって姿勢もよくなったように感じています。これからも長く続けて身体を動かすようにしていきたいです。


青木君江さん
[田園調布グリーンコミュニティ活動種目・教室]
フットボールアカデミー
フットボールアカデミーforキッズ
キッズチアダンス
バドミントンプレイス
グラウンド・ゴルフ
太極拳・気功
体ケア・ピラティス
やさしいストレッチ&ヨガ
ポールウォーキング
アロハ体操・Jポップ体操
ビーチボール雪谷
ビーチボール久原
羊毛フェルト講習会
健康歌声サロン
このほか不定期イベントとして、ミニサッカー大会、秋の遠足等を開催しています。詳しくはHPをご覧ください。
http://den-green.com/index.htm


多摩川レディスカップソフトボール大会。田園調布グリーンコミュニティが主催しました

ストレッチ&やさしいヨガ。田園調布親睦会館で行われています

フットボールアカデミー。小学生対象クラスのほか、年中・年長向けのクラスforキッズもあります

グラウンド・ゴルフ。誰でも楽しめるように独自の「田グリルール」を導入。男性の参加者が多いのも特徴です

「NPO・区民活動フォーラム」3年ぶりに開催!

区内で活動するNPOや区民活動団体が一堂に集まり、地域活動の取り組みや楽しさをPRするお祭り「NPO・区民活動フォーラム」が3年ぶりに開催されます。今年のテーマは「五感で感じる大田パワー」。29のNPO、区民活動団体の活動の様子・内容がブース展示、体験コーナーで体感できるほか、物販やキッズコーナー、歌や南京玉すだれのお楽しみショーもあります。先に紹介したスマイルかまたもユニバーサルスポーツ体験で参加予定です! 見逃せませんね。会場の様子はオンラインでも配信予定です。


【日時】令和5年2月5日(日)10時~15時30分
【場所】消費者生活センター(大田区蒲田5-13-26-101)
*できる限り徒歩あるいは公共交通機関をご利用ください
【入場料】無料 一部実費がかかる企画もあります
https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/chiiki/katsudou/event/npokuminkatsudou_f/kaisai.html

総合型地域スポーツクラブ特集はいかがでしたか。基礎体力や運動能力・技術を高めたい子どもや大人たち、運動不足解消や健康維持に役立てたいシニア世代の方まで、身近な地域で幅広くスポーツを楽しめる環境です。ぜひ一歩踏み出して仲間に入り、新しい挑戦をしてみてはいかがでしょうか。

大田区には、全部で10の総合型地域スポーツクラブがあります。イベントや体験レッスンなどもたくさん開催していますので、少しでも興味を持ったらのぞいてみてください。
各クラブの活動内容・地域などの詳細については、HPで確認できますよ。
https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/manabu/sports/sportsdantai/sougougatatiikisupotukurabu.html

クラブの活動に参加して気持ちいい汗をかいたら、その体験をぜひSNSへ投稿してくださいね。その際は#uniqueotaをつけるのをお忘れなく。

大田区シティプロモーションサイトUniqueOtaでは、「他にはない、大田区ならではのユニークな場所と出会えるまち」を合言葉に、さまざまな魅力を発信中です。
ぜひ、あなたの興味あるコンテンツを探してみてください。
次回の総合型地域スポーツクラブ特集(後編)もお楽しみに!
【関連記事】
大田区内おすすめ梅スポット まとめ記事
梅は昭和51(1976)年に「区の花」として制定されました。古くから大田区の土地になじみ、歴史的な由緒も深い梅…
【巨大タイヤで遊べる!おおたのユニークな公園】大森北公園
大田区立大森北公園は、京急線大森海岸駅と国道に接する地域特性を活かし、園内と国道の歩道との一体感をもたせたユニ…
【特集】大田区の銭湯でととのう!サウナのある銭湯の魅力
空前のサウナブームです。都内最多の銭湯数を誇る大田区にも、サウナ付きの銭湯があります。今回はその中から3店舗を…
【リアルなティラノサウルス!おおたのユニークな公園】ピノキオ児童公園
大田区立ピノキオ児童公園は、東雪谷三丁目にあるユニークな公園です。園内にはリアルなティラノサウルスがいます。&…
【子どもから大人まで!おおたのユニークな公園】東調布公園
大田区立東調布公園は、緑に囲まれたスポーツと憩いの場です。園内には流れる川、野球場、プール、児童交通公園などが…
【特集】「都心でキャンプ」のレア体験~大田区の宿泊キャンプ施設に行ってみよう~
キャンプブームが続いています。「車で遠くの山奥や川の近くへ」という方は多いかもしれませんが、実は東京23区内に…