空港にまつわる仕事といえば、「機内食の調理や製造」も気になりますよね。今回は、インフライトケータリングを行うコスモ企業株式会社の飯田 拓実さんに、機内食の裏側をお伺いしました。
機内食を各空港まで運ぶトラックの前に立つ、コスモ企業株式会社の飯田 拓実さん
――コスモ企業さんと羽田空港には深いつながりがあるそうですね。
はい。当社は戦後、羽田空港における民間航空会社の国際線就航再開に伴い、海外のエアラインにインフライトケータリングサービスを提供するために設立されました。当業界におけるパイオニア的存在と自負しています。
――まさに機内食の老舗! 機内食へのこだわりは?
機内食は、海外旅行におけるエンターテインメントの 1 つだと思っています。飛行機を利用されたお客さまが「いい旅の思い出」と感じてくださるよう、おいしく召しあがっていただくことを第一に考えています。もちろん、厳選食材を徹底した衛生管理のもとで製造し、盛り付けや色彩も楽しんでいただけるよう心掛けています。
1日に羽田空港分で3,000食、成田空港分で5,000食の調理製造を行っています
――機内食ビジネスの近年の傾向を教えてください。
航空業界ではLCCが台頭してきました。LCCの食事は予約制で、搭乗されるすべてのお客さまには機内食を提供していません。つまり機内食はエアライン選択の重要なキーになりえるのです。とはいえLCCとの価格勝負が激化し、その余波は予算削減という形で機内食ビジネスにも及んでいます。さらに近年、物価上昇が重なり大変なのですが、「品質の向上」は常に求められますので、そのバランスを取りながら進めていく工夫が重要だなと考えています。
――なるほど。実務ではどんな点を工夫されていらっしゃいますか?
羽田空港から出発される多くのお客さまのニーズに応えるべく、クラス毎のお食事はもちろん、ハラルやベジタリアンなどの宗教食、健康上の理由によるスペシャルミールなどの特別食などを用意しております。また航空機の到着遅延が起こると、機内食の搭降載を短時間で済ませねばならないのでとにかく大変です。スピード感は求められつつも、機内での食事を楽しみにしている皆さまの安全、安心のために、きれいに盛り付けされた食事は決して崩さないよう、丁寧に運ぶのも大事なミッションです。何事もチームワークで乗り切っています。
イスラム教徒向けに作られるハラルミールの機内食。食材の仕入れから盛り付けまで、ハラルの調理方法に基づいた工程管理を徹底しています
――難しいお仕事なのですね。では、お仕事のやりがいもぜひ!
当社は外国のエアラインとの取引がメインなので、世界各国のいろいろな料理を知ることができるのは楽しいですね。必然的に外国籍のクルーに料理などの説明をすることが多くなるので、円滑にコミュニケーションが取れると「やった!」とガッツポーズです(笑)。また日本人クルーから、当社の仕事ぶりが「外国人クルーからも評価されている」と聞いたときには、とても誇らしく感じました。エアラインを通じてお客さまからのお褒めの言葉をいただくのは、仕事の励みになります!
作るスタッフ、運ぶスタッフ……。チームワークで成り立つ仕事です
――機内食が食べたくなってきました(笑)。
羽田空港の第3ターミナルビルの5階にある「EXPASA Cafe 羽田」で、当社の機内食をドリンクセットでお召しあがりいただけます。また、羽田空港の機内食自動販売機や、空弁コーナー、羽田空港公式通販サイト(HANEDA Shopping)も是非のぞいてみてくださいね。
羽田空港公式通販サイト(HANEDA Shopping):
https://haneda-shopping.jp/
――ありがとうございます! これからもおいしい機内食を楽しみにしています。
取材協力:
コスモ企業株式会社
飯田さんに聞いた羽田空港のOne moreスポット
機内食の自動販売機
空港内には、機内食の自動販売機があるって知っていましたか?
第2ターミナル1階の到着ロビーにあるので、ついつい通り過ぎてしまい、気がつかない人も多いそうです。取材当日のラインアップは、ハワイのロコモコ、フランスの家庭料理コック・オーヴァンなど。各種1人前で980円(税込)。
こちらは保冷剤・保冷バック付きの冷凍食品の販売で、お土産にぴったりです!ただ、その場では食べられませんのであしからず……。
場所:第2ターミナル「出会いのひろば1」
※ラインアップは変更の可能性がございます。
おまけ:日本空港ビルデング株式会社・広報担当者に聞いた羽田空港のお勧めOne moreスポット
今回の取材に全面的にご協力いただいた日本空港ビルデング株式会社・広報の清水 美花さんにも、お勧め穴場スポットをお伺いしました。
日本空港ビルデング株式会社
広報 清水 美花さん
第1ターミナル5階『THE HANEDA HOUSE』は、奥まっているせいかちょっとした穴場スポットです。静かなエリアなので、リモートワークで利用される方もいらっしゃいます。滑走路とニューヨークの街をモチーフにした内装にもこだわっていますので、ぜひご注目ください。
また現役パイロットも練習に訪れると噂の、フライトシミュレーションが楽しめるショップもあり、ストリートピアノも設置しています。ストリートピアノは、第2ターミナルのB1階の吹き抜けにもありますよ。
同じく、第2ターミナルの展望デッキは、屋内なので雨の日でも離発着する飛行機を間近に見ることができます。
羽田空港の各ターミナルでさまざまな楽しみ方がありますので、飛行機のご搭乗時はもちろん、それ以外でもぜひ遊びにいらしてくださいね。
上段は第1ターミナル5階の「THE HANEDA HOUSE」の光景。下段は第2ターミナルで、ストリートピアノ(左)と屋内にある展望デッキ(右)
空港内をあらためて散策すると、エアポートコンシェルジュさんは目が合うたびに笑顔で会釈を返してくれ、案内ロボットもあちらこちらで利用客のサポートをしていました。機内食の製造や搬入の現場を直接見ることはできませんが、それと同様に、私たち利用客には見えないところでも、さまざまな職業の方が羽田空港を動かし、支えているのです。
多くの人々のプロフェッショナルな姿勢が、羽田空港を5スターエアポートにしているのですね。
羽田空港特集はいかがでしたか。
大田区内にはまだまだ注目のスポットがたくさんあります。
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次回の特集もお楽しみに!