最初に訪れたのは、東急池上線長原駅から徒歩4分の「T.SWEETS.LABO.(ティースイーツラボ)」。
こちらでは、小麦粉や白砂糖、添加物を使わずに、自然な素材と製法にこだわったスイーツを提供しています。特に、国産米粉や糀甘酒、海塩など、日本の食材や発酵食品を取り入れていることが特長です。
オーナーの柘植孝之さんは、もともとホテルや海外での勤務経験を持つパティシエ。レストラン業界でデザート開発を手掛けてきましたが、ご自身が小麦アレルギーを発症したことをきっかけに、米粉スイーツの世界に踏み出しました。
ところが、初めて食べた米粉スイーツは「美味しくない」と感じたそう。自分でも試作をしてみましたが、やはり小麦粉のような美味しさは再現できません。
妥協を許さず、何度も試作を繰り返してたどり着いたのが、和食材などの素材の魅力を活かした独自のレシピ。「米粉でもここまでできる」という手応えと、新しいスイーツの可能性に確信を得られたそう。
そんな柘植さんの作る焼き菓子は、厳選された食材が織りなす風味が驚くほど豊か。ひと口食べて人気の理由に深く納得しました。
◆米粉のバターサンド
一番人気は、「米粉のバターサンド(税込540円)」。「おおたのお土産100選」にも選ばれているお菓子です。
プレーンの生地には、自家製のレーズンが使われています。この商品はもともと、農家から規格外のため売り物にならないぶどうを譲り受けたことから開発したもの。ぶどうをレーズンに加工し、たっぷりのバタークリームと一緒にサブレに挟みました。
生地には、うるち米を使った米粉に加えて、上新粉、玄米粉、アーモンドパウダーなどをブレンド。ざっくりとした食感と香ばしい風味が特徴です。
隠し味として、石川県輪島の海水からできた「わじまの海塩」が練り込まれていて、噛んだときに歯に触る塩の粒がアクセントに。
抹茶が練り込まれた生地のバターサンドは、小粒で風味豊かな黒豆「黒千石」をお店で丁寧に炊き上げ、抹茶味のサブレと合わせています。洋菓子の華やかさとともに、和菓子のような上品さを感じられる印象的な一品でした。
◆米と糀のロールケーキ
国産米粉で焼き上げた「米と糀のロールケーキ(税込1,900円)」。店頭販売の場合は、焼きたてをその日に巻き上げ、最も美味しい状態で提供するのがこだわりです。
スポンジは、驚くほどしっとりふわふわ。口どけのよいクリームは、糀甘酒と自家製の塩麴でほんのり甘じょっぱい仕上がりです。ボリュームがあるのに軽やかで、ペロリと食べてしまう美味しさでした!
◆ここだけのかき氷
夏季限定で提供される「かき氷(税込864円)」も見逃せません。いちご・抹茶あずき・マンゴー味に加え、日曜限定で、その日だけのスペシャルメニューも登場することがあるそうです。
特に人気のいちご味は、形が悪くて流通に乗らないいちごを春のうちに仕入れて冷凍保存し、果肉たっぷりのピューレとシロップに加工しています。
この果肉とシロップが、かき氷の器の底、途中、表面と3段階に分けてかけられていることが、最後のひと口まで美味しく味わえる秘密。果実の美味しさを丸ごと味わえるかき氷なんて、他ではあまり見かけませんよね!
トッピングの生クリームには、甘酒と塩糀が使われており、ほんのり塩気のあるクリーミーなくちどけが絶妙です。
こども向けにはハーフサイズ(税込432円)も用意されています。ここでしか味わえない贅沢なかき氷、ぜひ味わってみてください。
「羽田空港や大田市場がある大田区には、世界の食や人が集まるし自然もある。にぎわいも静けさもあって、暮らすにも働くにも心地いいまちですよね」とオーナーの柘植孝之さん
T.SWEETS.LABO.(ティースイーツラボ)
住所:東京都大田区上池台1-21-3 グラン北澤1F
営業時間:〈日曜日・祝日〉12:00〜18:00(売り切れ次第終了)〈土曜日〉米粉パンの販売日(スイーツは要予約)※そのほかの曜日は予約優先
定休日:水曜日