デフ(きこえない・きこえにくい)アスリートのための国際スポーツ大会
「東京2025デフリンピック」(11月15~26日)がいよいよ開幕します!
カウントダウンに入りました!!
もちろん大田区にもやってきます。しかも2競技。
「大森ふるさとの浜辺公園」でビーチバレーボール、
「大田区総合体育館」でバスケットボールの試合が行われるとの事で
大田区広聴広報課、総力を挙げて取材に行ってまいりました。
さあ皆さん!大田区でデフアスリートを思い切り応援しましょう!!
デフリンピックとは
デフ(Deaf)は英語で「耳がきこえない」を意味します。デフ+オリンピック、つまり、きこえなない・きこえにくい人のための国際スポーツ大会です。東京2025デフリンピックは、100周年の記念すべき大会で、日本で初めての開催になります。
10月11日(土)雨 @大田区某体育館
デフバスケットボール、日本女子代表が大田区で合宿をするとお聞きし、
初日練習にお邪魔しました。
体育館の入り口に近づくにつれて、キュッキュッキュッというバッシュの心地よい擦り音と、
指示出しの大きな声、そして歓声が聞こえてきます。
元バスケ女子の心が躍ります。レイアップシュートがジャンプ力の低下で全然入らなくなっても、
あのパシュっという感覚だけは記憶にあります。
体育館の中に入ると、気安く入ってはいけない空気と張りつめた緊張感---。
そう、強化試合の真っただ中でした。
しかも接戦・互角。
目の上に青あざをつくっている選手もいます。
フォーメーションをいろいろ試している様子。選手もくるくる交代していきます。
攻める・守る・攻める・守るで毎回違う攻撃とディフェンス。
観戦に慣れるのに、目が追いつくのに、状況を把握するのに、時間がかかりました。
…というか、今でもよくわかっていません。早い、とにかく早すぎる。
こんなに早いスポーツだったかな?
昭和と令和でこんなにスピード違います?
というくらい、スピーディーでパワフルで緻密なプレイに圧倒されっぱなしでした。
とにかく目が8個くらいないと無理です。選手たちは冷静で視野が広い。
私の目が慣れたころ、ようやく対戦相手とデフ日本女子代表の区別がつきました。
対戦相手は東京成徳大学高等学校女子バスケットボール部。強豪校です。
大きな声は彼女たちのものでした。
一方日本女子代表は、一見淡々と粛々とプレーしているようにも思えます。
…が、全然違います。
声は小さくても、空間を支配しているのは、間違いなくデフ日本女子代表です。
オーラというか、気迫というか、目に見えてしまう凄みといいましょうか。
サインやアイコンタクトも独特で、緩急の付け方もタイミングが全く分からず
1プレー前の動きが不気味というか、予想がつかない…そんな感じです。
しかし!「ナイッシュー(ナイスシュート)」の後の弾ける笑顔はサイコーです。
一瞬だけ見せる破顔一笑は、心をグッと掴んで離しません。
思わず声を大にして「ナイッシュー!」と言ってしまうほど。
顔の横で手のひらをヒラヒラさせて(拍手のサインエール)、心からの拍手を送ります。
円陣もとってもよかった。
遠くからで、どんな合図でどうタイミングを図っているのかわかりませんでしたが
いくつかのやりとりのあと、レッツゴー的に脚をドンと。
1発だけ床を踏み鳴らし、気合いを入れて試合に臨みます。
その踏み出した1発の破壊力たるや。
心臓に響きます。床が割れて体育館の神が出てくるのではないかというくらい、
神々しいパフォーマンスでした。
鼓舞するってこういうことなんでしょう。
東京成徳大学高等学校女子バスケットボール部の皆さんも声を揃えておっしゃってました。
「すごい強いです。」
「絶対応援に来ます。」
「最強です。」
私、観ていただけですけれど、同感です。
大会1か月前というタイミングにも関わらず、若松選手(キャプテン)と川島選手に
コメントを伺えるお時間をいただくことができました。
若松優津 選手(キャプテン)
今日の試合の出来はどうでしたか?
自分の流れに乗り切れなかったところがありましたが
途中から強い気持ちをもって攻めました。いいところもありましたが
最後同点にされてしまった場面があったので守り方とか課題が改めて見つかったと思います。
代表チームの特徴や強みは?
世界と比べてもスピードがあるチームだと思っています。
スピードがある中でスリーポイントシュートが入る選手がすごく多いということと
あとはディフェンスを頑張ることができるということ、
ねばり強く頑張り続けることができるチームです。
デフリンピックに特別な感情はありますか?
聴覚障害を持つ人たちが出る世界大会の中で最高峰の大会になるので
そこに日本代表として参加できるっていうのはすごく誇りに思いますし
デフリンピックというのを知ってる人がすごく少ないので
その中で東京でできるというのは、スポーツを見てもらうというのはもちろんですけれど
ろうの人たちの文化を知ってもらえるすごくいい機会なのかなと思っているので
そこに特別な気持ちを持っています。
川島真琴 選手
今日の試合の出来はどうでしたか?
自分は積極的にシュートを打つタイプではないのですが
今日はいつもよりシュートを打てたなと思います。
代表チームの特徴や強みは?
今までいろんなチームでバスケットボールをしてきましたが、年齢が本当にバラバラで
年の差関係なくコミュニケーションとかチームプレイという点で
みんなが言いたいことをどんどん言って一致団結していくというところが強みです。
東京のデフリンピックに特別な感情はありますか?
デフリンピック出るのが初めてで、これまで世界選手権には出場したことがあったんですけれど
やっぱり東京で開催されるということで盛り上がりますし
デフリンピックというデフのアスリートの最高の大会なので
緊張感もありつつ、出られる喜びというのがあります。
出たことがないので、当日の緊張感はちょっと分からないのですが
それを体験できることを楽しみにしています。
緊張と喜び、2つの感情が交差しつつ、
とてもいい相乗効果で大会に向かう強い気持ちを感じました。
合宿初日、しかもフルで3~4試合はとても体力を消耗するでしょうし
強化試合前は追い込んだ個別練習もしていたことと思います。
そんな中「デフスポーツの素晴らしさを一人でも多くの人に伝えたいので。」
とおっしゃっていただき、
試合後のストレッチやクールダウンの時間をやりくりして、
我々の取材に大事な時間を費やしていただきました。
本当にありがとうございました。
絶対に、試合観に行きます。
声が枯れるまで応援します。
さらにギアをあげた彼女たちを近くで観られることに、今から興奮しています。















