大森東三丁目の厳正寺(ごんしょうじ)では、毎年7月第2日曜日に長雨がやむことを願い、獅子舞が奉納されます。 約700年前から現在も続く祭であり、雨乞いの祭は全国各地に残っていますが、雨が止むように祈る祭は、この厳正寺水止舞以外にほとんどないため、全国的にみても珍しい祭です。 祭礼では、まず厳正寺まで2匹の龍神を中心に道行が行われ、わら縄(龍)の中に入った若者はほら貝を吹いて龍の鳴き声を表します。 笛役、ささらを鳴らす花笠や竹筒を地面に打ち付けて進む「警固」の少年たちなどのにぎやかな道行が厳正寺境内に到着すると、舞台に龍をあげ、天に帰ってもらいます。そうすることで雨が止むといわれています。 その後、雨が止んだことを感謝して、雄獅子、雌獅子、中獅子の三匹の獅子による舞が合計6曲、奉納されます。 この祭祀は、東京都の無形民俗文化財に指定されています。