今年で14年目を迎えた、大岡山の人気のパン屋さん【イトキト】。オーナーの勝野さんは、幼い頃から食べることが大好き。美味しいモノへのこだわりが強い少年時代を過ごしたのだとか。
オーナーの勝野真一さん(右)と千津さんご夫婦 | パン生地をこねる勝野さん |
“いつかは食の道へ進みたい”という思いを夢で終わらせずに、30歳を機にデザイン関係の会社を退職。職人の道へ突き進んだ勝野さん。その後、36歳で【イトキト】を立ち上げるまでに、ビストロやパン屋で修行を積んだといいます。
店内には様々なパンがびっしりと並んでいます。
お店は大岡山駅前の商店街から一歩奥に入った場所にあり、オープンは10時。取材に訪れた9時50分には、焼きたてパンの香ばしい匂いが店の周囲に漂っていました。
雰囲気の良い店内は、「オシャレすぎて入りにくい空間にはせず、清潔感と雰囲気を大事にしたい」という勝野さん自ら図面を作成。スタッフと力を合わせて、DIYで作り上げたそうです。
【イトキト】の提案するフルーツサンドは、「料理人として、少しの手間とひと工夫を加える」ことがポイント。
例えば今回紹介する「河内晩柑(かわちばんかん)と自家製マーマレードのフルーツサンド」(380円(税込))。「河内晩柑は、愛媛や熊本県産のあまり流通していない柑橘系のフルーツです。ジューシーで華やかな香りが気に入っています」。
酸っぱさを抑えて甘みを引き出すために用いたのは、生クリームに加えてコンポート(フルーツをシロップやワインで煮込んだもの)した自家製マーマレード。生クリームに使用するリキュールはフルーツによって数種類の中からセレクトし、乳脂肪分についてもフルーツごとに分量の微調整を行うこだわりようです。
1年を通して様々な季節の味が楽しめる【イトキト】のフルーツサンド。
1〜3月にかけては「2種のいちご(フレッシュとコンフィチュール)のフルーツサンド(写真左上)」。4〜6月は先ほどご紹介した甘くてジューシーな「メロン」。
取材をした7月は「河内晩柑(かわちばんかん)と自家製マーマレードのフルーツサンド」。
8〜9月は赤ワインと蜂蜜で煮込んだいちじくのコンフィチュールに洋梨のシロップ漬けを合わせた「いちじくと洋梨のフルーツサンド(写真右上)」。
9〜10月は、フレッシュオレンジのシロップ漬けに水切りしたヨーグルトとホイップクリームを合わせた「オレンジと水切りヨーグルトクリームのフルーツサンド(写真左下)」。
10月から年末にかけては、旬の柿にアールグレイを煮詰めたクリームを合わせた、ラムの香りがアクセントの「柿とアールグレイのフルーツサンド(写真右下)」などを販売しています。
使用するフルーツや調理方法などは、変更されることがあります。
次はどんなフルーツが出てくるのか、楽しみですね!
店舗名の【イトキト】は、息子さんのお名前(いと君)と、“活きがいい”や“新鮮”なさまを指す富山の方言「きときと」を合わせた造語。
「たまたま耳に残っていた言葉なのですが、響きがよいので店名にしました」と勝野さん。
ぜひ旬のおいしさを味わってみてください。