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【特集】地ビールでカンパイ!「大田区の地ビール」を訪ねる

1994年の酒税法改正により、全国各地で作られるようになった「地ビール」は、こだわりを持って作られるために「クラフト(手工芸品)ビール」とも呼ばれます。
大田区にも地ビール醸造所と地ビールメーカーがあります。今回はそれらの醸造所とお店を訪ねます。
※掲載している情報は公開日時点のものであり、変更となる可能性があります。お出掛けの際は事前にご確認ください。

住宅地の真ん中にビール醸造所があるってホント?

羽田麦酒

「羽田麦酒」は、「羽田」とあるものの、所在地は矢口渡の住宅街です。こんな所に本当にビールの醸造所があるの? いぶかしむ私たちを迎えてくださった羽田麦酒営業部長兼製造責任者の野呂駿佑さんにお話を伺いました。



――野呂駿佑さん:
羽田麦酒は2014年に大田区第一号の地ビール工場として設立されたブルワリーです。創立者の鈴木祐一郎は東京農業大学農学部醸造学科(当時)出身で、卒業後は食品プラントメーカーに就職し、大手地ビール工場の立ち上げに参加、醸造設備の設計に携わったのがきっかけで地元の大田区に醸造所を設立しました。とにかくDIYが大好きで、壁の色塗りから醸造タンク、配管などもほぼ手作りで仕上げたほど。世界に名だたる羽田空港の知名度を生かして大田区の知名度アップにつなげ、世界に羽ばたくビールにしたいとの思いから羽田麦酒と名づけました。

現在の羽田麦酒の主力商品は、オリジナルブランドの羽田ビール(ペールエール、ヴァイツェン、IPA、ゴールデンエール、ポーター、セッションIPA)があり、そのほかにも飲食店向けOEM(相手先ブランド製造)品も製造しています。羽田ビールは、グループ会社で直営店の「Brewブリュー Loungeラウンジ 市ヶ谷」(千代田区)で飲めるほか、区内の酒店、羽田空港、大井町阪急などでも購入が可能です。

うちの特徴は、他社に比べて小ロットでオリジナルビールの委託製造が可能なことです。最低ロットが1仕込み150リットルなので、330ml瓶にして約400本からオリジナルビールをオーダーできます。実際にイベントや会社の福利厚生、パーティーの記念品などとしての引き合いを多くいただいています。ご興味のある方はお問い合わせください。

*矢口渡の醸造所ではビールの販売は行っていません。工場見学もできませんのでご了承ください。




「『おらが町のビールはこれ!』と誇りを持って飲んでいただきたいですね」と語る野呂さん(左)と、醸造担当の小林俊太郎さん(右)
羽田麦酒
住所
大田区多摩川1-23-12 石川ビル1階
電話
03-6715-0702

ビールを通して大森に集う、つながる、発信する

大森山王ブルワリー

大森山王ブルワリーは、2019年に生まれた大森発信のクラフトビールメーカーです。誰もが好きなビールを「核」にして大森を盛り上げ、大森を楽しむことがコンセプトです。大森柳本通り商店街にある大森山王ビール専門店「Hiハイ-Timeタイム」代表の町田佳路さんを訪ねました。



――町田佳路さん:
大森山王ブルワリーは、大森でビールを作っているわけではありません。元々私はウェブ制作の仕事をしていました。大森柳本通り商店街のHPのリニューアルを手掛けたのが縁でイベントを企画するなど、地域と深く関わるようになりました。その後、思いついたのがビールを入り口にした地域おこしです。2018年に大森山王ビールの前身、SunNo.808を完成させました。それから大森のまちの歴史を学び直すなどしてさらに強力なコンセプトを構築し、2019年に完成させたのが大森山王ブルワリーと「NAOMIなおみ」、「GEORGEジョージ」です。

現在販売しているビールは7種類。谷崎潤一郎の『痴人の愛』の登場人物ナオミと譲治をイメージとした「NAOMI」、「GEORGE」、かつて馬込文士村に住んだ村岡花子の『赤毛のアン』をモチーフとした「ANアン」など、いずれも大森ゆかりの物語を持つネーミングと、インパクトのあるパッケージデザインが特徴です。

これらの大森山王ブルワリーのビールが全てテイクアウトできるのが「Hi-Time」です。
ここは元々、閉店した地元のスーパー「カドヤ食品」の駐輪場でしたが、そこを気軽に立ち寄れるビールスタンドにしたのです。店頭の持ち帰りカウンターは、実は古いリヤカーをペイントしたものです。近いうちに大森のまちへ移動販売もしてみたいと思っています。量り売りして持ち帰ることができるビール用水筒「グラウラー」も用意しました。これにビールを入れて家で飲むのもよし、まち歩きしながら飲むのもよし。いろいろな楽しみ方を味わってほしいと思います。

われわれは、大森地域での人と人との関係作り、コミュニティ作りが主目的。地ビールはそのための手段であるというのが基本姿勢です。そんなコンセプトのもと、2023年4月から大森駅東口駅前広場で月に1度「OMORI大森 KAORUかおる MARKETマーケット」と銘打ちイベントを開催しています。大森山王ブルワリーもビールで出店しますし、ビールに合うおつまみや、ハンドメイド品、親子で楽しめるワークショップや音楽ライブなど盛りだくさんです。地域の方々を巻き込んだ定期イベントとして定着していければと思っています。ぜひ皆さんもお越しください。




「ゆくゆくは大森に醸造所を持ちたい。だけどそれがゴールではありません」と町田さん
Hi-Time
住所
大田区山王3-1-2
営業時間
平日 16:00~20:00
土・日・祝 12:00~19:00
定休日
火曜日・水曜日
電話
090-4028-9736

羽田を起点に大田区の地ビールを全国へ届ける

HANEDA SKY BREWING

羽田空港の直近、羽田イノベーションシティ2階に、3基の醸造タンクで作った地ビールを提供するレストラン HANEDAハネダ SKYスカイ BREWINGブルーイングがあります。「羽田空港1丁目1番地」という住所に誇りとこだわりを持ち、「羽田空港に一番近い醸造所」を経営する株式会社大鵬の代表取締役 大屋幸子さんにお話を伺いました。



――大屋幸子さん:
保険の営業の仕事で担当したのが大田区とのご縁のきっかけです。
ある時、ひょんなことから西蒲田にある飲食店の営業を引き受けることになりました。区内で作られた地ビールを出すのが売りの「羽田バル」という店です。その営業が軌道に乗ったころ、「羽田」という名前と「大田区の地ビール」を出すという特色に注目してくださった羽田イノベーションシティの運営会社から、「イノベーションシティに店を出さないか」と声を掛けていただき、2020年に「HANEDA SKY BREWING」をオープンしました。
ところが開店とほぼ同時にコロナ禍に見舞われ、苦しい状況がつづきました。それでも「大田区らしさ」にこだわらないとこのまちで店をやらせていただいている意味がないと思い、区内の老舗海苔店から仕入れた海苔の端材を使った羽田の地ビール「天空」の製造を始めました。そのほか、大田区の温泉である黒湯の源泉をモチーフにした「黒湯ビール」、お風呂上がりに最適な「銭湯ビール」、山王産ホップで作った「大森貝塚ビール」などもあります。

また、2023年1月には、池上本門寺通りに地ビールと和食を出す「RE.beerビア」をオープンしました。こちらは蒲田にある日本工学院専門学校の学生たちが店舗デザインをし、南雪谷の建設会社が監修・施工を行い、区内のいくつもの町工場で作った醸造設備を使用する、「大田区愛」満載のお店です。
将来的には羽田空港内にお店を出したいし、飛行機に羽田の地ビールを乗せて日本中・世界中の方々に大田区の良さを知ってもらいたい。もっとずっと「大田区」にこだわっていきたいと考えています。




「地域連携のビールやオリジナルビールをどんどん開発していきたい」と話す大屋さん
HANEDA SKY BREWING
住所
大田区羽田空港1-1-4 羽田イノベーションシティ2階 Dゾーン
電話
03-5579-7350
営業時間
月~日 11:00~23:00
定休日
不定休
大田区の地ビール特集、いかがでしたか。大田区ならではの地ビールどころ、楽しんでいただけたでしょうか。ビールを買ったらおいしいつまみを求めて区内のお店を巡ってみたり、コップ片手に飛行機を見たり、川べりをぶらぶら歩いたり。楽しみ方はいろいろです。次のお休みは、ぜひ「地ビールさんぽ」に行ってみてください。

大田区内にはまだまだ注目のスポットがたくさんあります。あなただけの「おおた推し」スポットを見つけてみてください! 見つけたスポットは、ぜひSNSへ投稿を。その際は#uniqueotaをつけてくださいね!

大田区シティプロモーションサイトUniqueOtaでは、「他にはない、大田区ならではのユニークな場所と出会えるまち」を合言葉に、区内のさまざまな魅力を発信中です。

ぜひ、あなたの興味あるコンテンツを探してみてください。次回の特集もお楽しみに!
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