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【特集】スポーツで心身共に健康に! 仲間づくりにも! 身近な「総合型地域スポーツクラブ」で身体を動かそう(後編)

「総合型地域スポーツクラブ」とは、住民が身近な地域で複数の種目のスポーツに親しむことを目指したスポーツ活動団体のことです。子どもから高齢者、障がいのある方まで、年齢、技術レベルなどに応じて参加でき、体力・健康づくり、コミュニティ・仲間づくりの核となる役割を負うとともに、地域スポーツの担い手を育てます。
現在、大田区に登録されている「総合型地域スポーツクラブ」は10団体。その中から前回は前編として、高齢者、障がいのある方向けのプログラムを有する2つのクラブ(スマイルかまた、田園調布グリーンコミュニティ)を紹介しました。
後編となる今回は、一般的なプログラムのほかに本格的なスポーツクラブチームを有する総合型地域スポーツクラブを紹介します。

オリンピアンが提案する、共に楽しむ生涯スポーツクラブ

NPO法人地域総合スポーツ倶楽部・ピボットフット

ピボットフットは、バスケットボール元オリンピック代表である桑田健秀さんが2002年に創立した総合型地域スポーツクラブです。大田区内全域が活動区域です。その理念は、スポーツを通して精神性、健全な心、がんばる気持ち、連帯感、いたわり、助け合いの心を学び、多くの人々の生活にうるおいと喜びをもたらすことです。いつでも、誰でも、生涯にわたってスポーツを行える場を通じて、地域に夢と感動と希望を提供することを目標として活動しています。

すべての教室でプロの指導者が指導するから上達も早い!


桑田健秀理事長(左)と事務局の大森やすはさん(右)。大森さん自身もチアリーディングクラス雪谷ビッキーズ出身で、現在は雪谷ビッキーズタイニーB、ユースBのコーチも務める

NPO法人 地域総合スポーツ倶楽部ピボットフット理事長 桑田健秀さんにお話を伺いました。

ピボットフットは、今年創立21年を迎える総合型地域スポーツクラブです。私がバスケットボールでモントリオール五輪に出場した経験があることから、地元大田区にバスケットボール教室を開校したのがスタートです。その後、さまざまな種目の教室を展開するとともに、地域イベントではチアリーディング、ダンスなどを披露して地域に貢献しています。

教室在籍者は600人超。コロナで例年より減ってしまってはいますが、昨年はバスケットボール、テニス、クロスミントンなど16種目、約1,600回のスポーツ教室を大田区内で開催しました。
中でもチアリーディングチームは所属人数が180名と大所帯であるうえに成績も優秀。選抜チームは世界大会への出場も果たし、2019年の世界大会では世界7位に輝いています。

ピボットフットの強みは、すべての教室でプロの指導者が指導していること。そのため参加者の上達が目に見えて早く、参加者のモチベーションも保たれるので長続きしやすい利点があります。やはり専門家に勝る指導者はありません。

21年も続けていると、教室を卒業した生徒たちがお父さん、お母さんになって、またその子どもを連れてくるようになりました。なかなか感慨深いですね。
これからも地域に密着した活動を末永く続けて、よりよいスポーツ環境を提供していきたいと思います。

クロスミントンは、テニスとバドミントンの長所を合わせたラケット競技


今田恵美さん(左)と、今田さんとともに2017年世界大会50歳以上女子ダブルスで優勝した和田文子さん(右)

今回は、数あるピボットフットのスポーツ教室の中でも、まだあまり知られていない競技「クロスミントン」の教室を取材。クロスミントン教室コーチであるとともに、日本クロスミントン協会副会長も務める今田恵美さんにお話を伺いました。

クロスミントンとは、テニスとバドミントンを合わせたようなドイツ生まれのラケット競技です。日本に入って来たのは2004年のこと。2005年にはピボットフットが日本で初めて教室を開講しています。言うなれば、ピボットフットは日本のクロスミントンの先駆者になります。

クロスミントンのよいところは、初心者でも比較的早くコツがつかめてゲームを楽しめるところ。バドミントンやテニスで試合をしようとすると半年くらいはかかりますが、クロスミントンなら15分程度で簡単なラリーが可能。とはいえ緩くはなく、奥が深くて本格的な競技感覚を味わうことができます。

現在、ピボットフットのクロスミントン教室のメンバーは20人ほど。ほかのクラブにくらべて年齢層が広く、シニアの比率が高いのが特徴です。初めてラケット競技をする方やスポーツ経験がない方も楽しんで続けているのを見ると、裾野の広さが感じられます。

クロスミントンの魅力をもう一つつけ加えるとすると、競技人口の少なさがあげられます。それはすなわち一度世界大会に出ただけで、世界ランキングがつくということ。たとえば初めて試合に出て全部負けたけど、50代男子シングルスの世界第20位くらいになっちゃったとか、こんなことはほかの競技ではありえません。興奮しますよ。

初心者でもとっつきやすく、年代、運動経験に応じて楽しめるクロスミントン。見た感じはかわいいラケットとスピーダーですが、単位時間当たりの消費カロリーが意外に多く、ストレス解消と同時に脂肪燃焼効果も期待できます。
クロスミントンなら、スポーツ嫌いの方、運動音痴を自負している方に、スポーツやゲームの楽しさを知ってもらえると思います。続けていくことで、自分の奥深くに眠ったスポーツ魂を発見できるかもしれませんよ。
少しでも興味を持たれたら一緒にやってみませんか? 月に2回、土曜日の夜に蒲田高校体育館でお待ちしています。

スピーダーを打つと「ヒュー」という音がするのが楽しい

クロスミントンをプレイするには、専用のラケットとスピーダーと呼ばれるシャトルを使います。


スカッシュより一回り小さいラケットとバドミントンシャトルのような形状のスピーダー

ルールはとても簡単。シングルスの場合、一辺が5.5メートルの正方形が12.8メートル離れて2つ配置されており、自分のエリアから相手のエリアに向けてスピーダーを打ちます。
2つのエリア間にネットはありません。相手のエリアにスピーダーを落としたらこちらの得点になります。

クロスミントンのコート。自分のエリアから相手のエリアに向けてスピーダーを打ち込みます

ネットがないのでラリーが続きやすく、15分もあれば初心者でもラリーを楽しめるようになるのがうれしいところ。スピーダーの突端に穴が開いていて、打ったときに「ヒュー」と音がするのも爽快です。ストレス解消になりますよ。


スピーダー。重さはバドミントンシャトルの約2倍。中央に開いている穴が、最後まで失速しないで高スピードで飛び、音の出る秘密です


サーブはアンダーハンドで。羽子板の要領で打てばOK


2017年世界選手権ポーランド大会で、今田さん、和田さんペアが50歳以上女子ダブルスの部で優勝したときのメダル


12月の練習日にはクリスマスイベントも。クリスマスの帽子をかぶって練習したり、ゲームを取り入れたりして楽しんでいます

始めて1年で国内ランキング10位の快挙!?


参加者の雨宮洋子さん

参加者の雨宮洋子さんにお話を伺いました。

それまでPTAのバレーボールをやっていましたが、コロナで中止となり運動不足を感じていた2021年にスポーツ推進委員のお友だちに誘われたのがきっかけで始めました。ラケット競技ははじめてでしたが、体験で行ってみたらその魅力にハマってしまいまして。今は月2回の教室のほか、1年前からトレーニングのためにバドミントンも始めました。

クロスミントンを始めて1か月も経たない練習3回目くらいのときに、コーチに言われるままに日本で開催された世界大会に出させていただきました。そうすると世界ランキングの順位が出るのですが、まだまだクロスミントンは競技人口が少ないのでシニアのランキングで日本の10位に入れたのです。すごくないですか? そんなうれしいことってないですよね。今では私が誘った友だちが5人もピボットフットの教室に入って楽しくやっています。
仲間とともにもっともっと練習して、上手になって長く続けていきたいと思います。

[ピボットフット活動種目・教室]
・バスケットボール
 小・中・高校以上一般
 アカデミー
 U15クラブチーム
・テニス
 キッズ(小学3~6年)・一般
・ラグビー
・タグラグビー
・クロスミントン
・忍者ナイン
・キッズ・ジュニアビート運動塾
・リズムダンス
・かけっこ教室
・SPASかけっこ教室
・チアリーディング
 VICKIES
 TURTLES
 BELIEVES
 CHIPMUNK
・機能改善体操
・壮快体操
・バレエストレッチ
・ヨガ
・フライングディスク
・いろいろスポーツ
*詳しくはHPをご覧ください。
https://p-foot.jp/


チアリーディング雪谷 サミット世界大会7位inUSAフロリダ


ラグビー教室


高齢者機能改善体操教室


リズムダンス教室


大田区区民活動情報サイト 「オーちゃんネット」で、地域で取り組む区民活動を探そう!

オーちゃんネットは、大田区内で活動する区民活動団体の活動内容を紹介するサイトです。各団体のイベント情報・募集情報・活動紹介を検索すれば、興味のあることにダイレクトにアプローチすることができます。

検索条件は、フリーワードはもちろん、カテゴリ、地域、開催期間、費用の有無、事前申し込みの要・不要まで細かく指定が可能です。

令和4年12月にリニューアルして大幅に見やすくなったオーちゃんネット。もちろんここで紹介した総合型地域スポーツクラブも掲載されています。興味のあるイベントに参加したい、地域活動・ボランティアを始めたい、という区民の強い味方です。


大田区区民活動情報サイト
https://www.kyoudou.city.ota.tokyo.jp/

本格的なサッカークラブを有する地域密着のスポーツ専門クラブ

NPO法人 ベアーズ

NPO法人ベアーズは、下丸子、鵜の木地区を拠点として2012年にスタートした総合型地域スポーツクラブです。現在、活動地域は嶺町、千鳥、久が原、六郷も活動エリアに広がっています。
プログラムの内容は、サッカー教室、女子サッカー教室、チアダンス教室などのほか、サッカークラブ運営も展開。質の高い専門家による指導が定評で、地域住民のスポーツ熱に応えています。

スポーツを通して、自主性を持ち、自分で考える力を持つ子どもを育てたい


佐藤秀樹事務局長(右)と加藤太郎ベアーズ東京FC 3・4年チーム監督(左)

佐藤秀樹事務局長にお話を伺いました。

NPO法人ベアーズは、2012年に生徒数10人でスタートしたサッカー教室が始まりです。その後、チアダンス教室、女子サッカー教室、ヨガ教室……と活動を広げ、2017年にはジュニアユースのサッカーチームを作りました。現在中学生が約50人、小学生が約250人、大人が30人くらい。年齢は、3歳から71歳まで在籍しています。

子ども向けには、サッカー教室以外にもスポーツのすそ野を広げるきっかけとなるプログラムを行っています。キッズ運動教室は、幼児期に運動の機会をできるだけ増やし、基礎的な運動能力を高めることに的を絞った教室として2020年にオープンしました。子どもの運動能力の低下がいわれる中、未就学児を対象にしたスペシャルな指導が好評を得ています。
また、チアダンススクールはテレビで活躍している振付師が指導。大会やイベントなどに出場しながら地域貢献をはかるとともにスキルアップをめざします。

大人の教室としては、対面で指導を受けられるリアルヨガ、オンラインで指導を受けるオンラインヨガ教室を開催しています。少人数制で受講者に寄り添った指導が人気です。忙しい人でも続けやすいように、オンラインヨガは定額制受け放題を導入しています。

ベアーズの特徴は、地域密着型で子どもの会員数が多いことがあげられます。ベアーズの活動目的に「スポーツを通してまちづくりの推進を図る」というのがあるのですが、自分たちにとってのまちづくりとは、未来の社会を担う子どもたちを育てることだと考えました。私たちはスポーツを通して、自主性を持ち、自分で考える力を持つ子どもを育てたいという思いのもとに子どもたちを導こうと考えています。その結果、彼らの中に、自分たちで議論し、答えを出す習慣が育ちつつあると感じています。

今後の展望としては、私自身が長年演劇畑にいたこともあり、演劇を通じて子ども世代だけでなく、シニア世代にも働きかけていくプログラムを模索中です。ベアーズの新しい試みに期待してください。
少しでも私たちのプログラムに興味を持ったら、気軽に体験レッスンにお越しください。


佐藤さんとベアーズ東京FC3・4年チームのみなさん

物怖じしなくなって積極性が増しました


U-06/幼児クラスに参加の榊 理來(りく)くんとお父さんの賢一朗さん

U-06/幼児クラスに参加する榊 理來くんのお父さん 賢一朗さんにお話を伺いました。

家でもとにかく体力を持て余しているようだったのを見かねて、妻がベアーズを見つけてきました。本人も楽しみながら熱中しているようなので安心しています。

サッカーはどうしても身体的な接触が多いので、こちらでお世話になるようになってから、物怖じしなくなったように感じます。何ごとにも積極性が見えるようになりましたね。幼稚園のお友だちだけでなく、スポーツを通した交流が生まれているのもよいと思います。
4月から小学校に入学しますが、ベアーズがきっかけとなって、サッカーに限らず身体を動かす習慣が身につくとよいと思っています。


サッカーボールを使うだけでなく、かけっこや後ろ向き走りなどを取り入れて子どもたちも楽しそう


U-06/幼児クラスのみなさん。右端はメインコーチの北村佳佑さん、左端はコーチの川村亮介さん

[ベアーズ活動種目・教室]
・サッカースクール
・チアダンススクール
・リアルヨガ
・オンラインヨガ
・女子サッカースクール
・英語☓運動教室
・キッズ運動教室
・ベアーズかけっこ教室
・中学生サッカーチーム
・ジュニアサッカーチーム
*このほかイベントも開催しています。詳しくはHPをご覧ください。
http://bears2012.com/#6


大田ホワイトベアーズガールズスクール


下丸子駅前ヨガ


ベアーズかけっこ教室


ベアーズ★キッズチアスクール


スポーツ以外にカルチャー部門のプログラムもあります

「総合型地域スポーツクラブ」には、健康歌声サロンや羊毛フェルト講習会(田園調布グリーンコミュニティ)、家族で楽しめるお茶会、ウクレレ教室(スマイルかまた)など、スポーツ以外のプログラムもあります。

田園調布グリーンコミュニティの健康歌声サロンは、近ごろクラスを増設したほどの人気です。誰でも知っている唱歌や童謡、懐メロなどを歌って口や呼吸器の筋肉を使い、楽しみながら口腔フレイル(噛んだり、飲み込んだりする機能が衰えること)を予防し、なおかつストレスも解消できるとあって好評です。

また、針で羊毛を刺して形を作っていく羊毛フェルト手芸も、指先を使うことで脳を刺激しつつ、かわいい作品が出来上がるため安定した人気があります。

カルチャー部門に参加した人がスポーツプログラムに誘われて、そちらにも参加するようになったり、またその逆もあったりで興味の輪が広がっています。スポーツはちょっと……という方も、一度のぞいてみませんか?
詳しくは各団体のHPでご確認ください。


健康歌声サロン(田園調布グリーンコミュニティ)。声を出して歌うのはストレス解消にもってこい


羊毛フェルト講習会(田園調布グリーンコミュニティ)。作業中は無心。時間を忘れます


家族で楽しめるお茶会(スマイルかまた)。月に一度ふれあいはすぬま和室で開催。心落ち着くひととき


前編・後編にわたってお送りしてきた総合型地域スポーツクラブ特集はいかがでしたか。子どもも大人もシニアも障がいのある方も、身近な地域で身体を動かすことができるスポーツクラブ。大田区には、全部で10の総合型地域スポーツクラブがあり、イベントや体験レッスンなどもたくさん開催していますので、少しでも興味を持ったら、のぞいてみてください。
各クラブの活動内容・地域などの詳細については、HPをご確認ください。
https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/manabu/sports/sportsdantai/sougougatatiikisupotukurabu.html

クラブの活動に参加すれば、同じ趣味を持つ仲間づくりもできますよ。
そしてその体験をぜひSNSへ投稿してくださいね。その際は#uniqueotaをつけるのをお忘れなく。

大田区シティプロモーションサイトUniqueOtaでは、「他にはない、大田区ならではのユニークな場所と出会えるまち」を合言葉に、さまざまな魅力を発信中です。
ぜひ、あなたの興味あるコンテンツを探してみてください。
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