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【区の花:梅のおすすめスポット紹介】旧六郷用水散策路・西嶺高砂公園

梅は昭和51(1976)年に「区の花」として制定されました。古くから大田区の土地になじみ、歴史的な由緒も深い梅。花は気品に満ち、早春の寒さに負けず咲くその姿は、 若い世代の人が多い大田区には特にふさわしいものとして選ばれました。

区内には多くのおすすめ梅スポットがあります。こちらの記事では、旧六郷用水散策路・西嶺高砂公園を紹介します。

 

旧六郷用水散策路

 

旧六郷用水散策路のコース案内

https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/sumaimachinami/douro_kouen_kasen/sansakuro/kyuurokugouyousuipromenade.files/230927rokugouyousui.pdf

梅の写真


 

江戸時代に開削された六郷用水は、明治時代にかけて大田区域の低地部の水田を潤し続けました。旧六郷用水散策路は農業用水としての使命を終え、今は地上から姿を消したこの水路網のうち、主要部分をたどる散策路です。大田区では緑道整備を進めるとともに、平成31991)年度から散策路沿いに「六郷用水物語」の案内サイン整備を実施しました。

また、本散策路の「六郷用水復元水路(田園調布本町)」は、昭和631988)年に建設省(現国土交通省)から「手づくり郷土賞」を受賞し、令和22020)年の第3回大田区景観まちづくり賞の表彰対象となっており、水に親しむ景観として高い評価を受けています。散策路は区民の憩いの場として利用されるとともに、六郷用水の歴史や役割の重要性を見つめ直す機会を提供しています。暮らしの基盤が農業にあった時代に想いを馳せながら、潤いのある都市空間を散策してみてはいかがでしょうか。

 

   

改修前(昭和55年・大田区立郷土博物館蔵)

 

改修後(昭和63年・大田区立郷土博物館蔵)

旧六郷用水散策路を含む散歩コース

https://unique-ota.city.ota.tokyo.jp/charm/life/otambo_01/

 

西嶺高砂公園

『嶺村の高砂』と呼ばれていた地域の公園です。丘陵を利用し、武蔵野の雑木林が多く残っています。白梅、紅梅、しだれ梅が約30本植えられており、花の時期には多くの人で賑わいます。

公園概要

所在地 大田区西嶺町30番15号

アクセス 東急多摩川線沼部駅下車徒歩10分

主な樹木 ウメ、クヌギ、クワ、ケヤキ

梅の写真

 

 

 

六郷用水の移り変わり

天正181590)年、豊臣秀吉の命により徳川家康が江戸入府を果たして後、関東へと移住した小泉次大夫吉次は、家康に用水開削と新田開発を進言し、慶長61601)年に多摩川下流両岸域の代官に就任します。用水の開削工事は同年より測量が実施され、同10年には工事が開始されました(これには異説もあります)。そして、慶長16年には多摩川左岸(東京都大田区側)に六郷用水、同右岸(神奈川県川崎市側)に稲毛用水(後に稲毛川崎二ヶ領用水に編成)という二本の用水が完成します。

 

 

馬上の人物が小泉次大夫(「小泉次大夫巡検之図(部分)」明治時代・大田区立郷土博物館蔵)

 

六郷用水開削以前の大田区域には、小規模自然河川と、台地の溜め井や谷筋の湧水の他、小規模な用水路が存在するのみでした。また、西側には多摩川も流れていましたが、水を汲み上げる方法もなく、河口付近の水は海水が混じる汽水で、農業用水には不向きだったのです。

そこで、多摩川中流の和泉村(現狛江市元和泉)に取水口を設け、既存用水路までの導水路の確保をはかりました。取水された多摩川の水は、途中の自然河川や湧水の水を加えて世田谷領14ヵ村を通り、六郷領35ヵ村へと至ります。用水は矢口村の南北引分という分岐点までの約11㎞が幹線で、同地から北堀と南堀とに分流され、その先は必要量にあわせた幅の支水路を網目状にめぐらし配水しました。

両用水の完成により、多摩川下流両岸域では安定的な水量の確保が実現し、広範な新田開発が可能となったのです。両用水が江戸・明治時代を通じて米の生産高向上に果たした役割は多大なものがありました。

 

江戸・明治時代の六郷用水

 

本図は明治141881)年に参謀本部陸軍部測量局が発行した「第一軍管地方1/20000迅速測図原図」より判読した水路網を地形図に重ね合わせたものです。用水は幹線と支流・小堀の給水路と排水路(悪水路)が組み合わさっていました(作図:六郷用水の会 三橋昭氏、提供:大田区立郷土博物館)

 

大正時代から将来の市街地化を予測した宅地造成が区内全域で急速に進行すると、市街地に転用しやすいように水田に区画整形が施されます。こうして自然形成された不定形な水田と、その形状に合わせた堀や溝から成る水路網は、方形あるいは直線的な区画に整形され市街地化していきました。この事業の実施過程で、六郷用水も農業用水路から都市生活排水路(どぶ川)に姿を変えたのです。さらにこの都市河川としての生活排水路も、昭和401965)年代以降に蓋掛け・埋設や緑道化され、六郷用水の水面の多くは私たちの前から姿を消しました。

 

大正・昭和時代の六郷用水

 

本図は「河川在来下水図」(昭和2年刊行『大田区都市計画図』に収載)記載の公共溝渠を土地整理事業による改修水路と判断して抽出し、地形図に重ね合わせたものです。耕地は碁盤目状の市街地となり、水路も街区に合わせて直線化しました。(作図:六郷用水の会 三橋昭氏、提供:大田区立郷土博物館)

 

大田区内のおすすめ梅スポットまとめはこちら

https://unique-ota.city.ota.tokyo.jp/charm/health/plum_unify/

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