城南島企業見学バスツアーに行ってみた!

令和7年10月23日(木)、「おおたオープンファクトリー」の特別企画として、城南島企業見学バスツアーを開催しました。

日本工学院専門学校の機械設計科1年生を対象とし、将来の就職先として城南島の企業を知って頂くことを目的に、24名の皆さんにご参加頂きました。

普段は中々見ることができない工業専用地域の城南島に立地する企業の様子をレポートします!

 

バスツアーの行程

日本工学院専門学校 → 城南島

株式会社エース → 株式会社須長製作所 → 株式会社リーテム

 

日本工学院専門学校からバスツアー開始!

ツアーのガイドは、大田工業連合会の吉崎事務局長と城南島連合会の大井事務局長が担当し、バスの中では、城南島の成り立ちや企業の特徴などをお話頂きました。

 

‥✤ 城南島とは? ✤‥

城南島は、昭和37年(1962年)海苔漁場の跡地に昭和島・京浜島・大井ふ頭とともに造成された人工島です。

当時、まちの中で機械音などの騒音や振動などの発生や、操業用地の拡大に苦慮していた町工場が、近代的で効率的な工場の再生を目指して集団移転しました。

今日の大田区内の工業地帯でも活力ある工業生産エリアとなっています。 

 

見学先① 株式会社エース

株式会社エースは、多品種少量生産で主に金属を加工する企業です。

大田区では「ハブ企業」と呼ばれており、発注元企業からの依頼に応じて、200社にも及ぶ協力企業に加工をお願いし、製品や部品を完成させています。

個々の工場では対応できない複雑な案件や試作品開発を、複数の工場と連携することで対応し、高い技術力と短納期を実現しています。

例えば、東京メトロ副都心線全駅や東京モノレール羽田空港第3ターミナル駅のホームドアの部品など身近な製品もありますし、最近では航空宇宙関連の仕事も増えているそうです。

また、農林水産業の課題解決にも取り組んでおり、独自に開発した農作機も販売しています。

ご説明頂いた西村社長は、「下町ボブスレー」プロジェクトの初代副委員長でもあり

日頃から「ものづくりのまち」としての地域活動にも積極的に関わって頂いています。

 

 

見学先② 株式会社須長製作所

株式会社須長製作所は、建物には欠かせない空調設備である「ダクト」の設計・製造・施工を行っている会社です。

「ダクト」は空調や換気、排煙などのために設置する設備のことで、建物ごとに構造が異なるため、完全オーダーメイドで製作しています。

城南島の工場では、製造部がダクトを組み立てる作業を行っており、職人技を要します。

須長製作所はスカイツリーの展望回廊のダクトなど、多くの大型施設の案件を手掛けており、大田区内では、羽田イノベーションシティやZepp(ライブハウス)、大田区役所のダクトも担当したそうです。

現在、採用活動も積極的に行っており、求職者向けの見学会を随時受け付けています。

XやInstagramでの情報発信も始めたとのことですので、ぜひご覧ください!

 

 

見学先③ 株式会社リーテム

株式会社リーテムは、資源のリサイクル及びリユース、資源循環・リサイクルに関するコンサルティングなどを行う会社です。

城南島にある東京工場では、家庭やオフィスから出る小型家電、電気電子機器類、情報通信機器類などの廃棄物を受け入れています。

小型家電には再資源化が可能な金属が含まれていますので、しっかり分別をすることで、貴重な資源に生まれ変わります。

東京2020大会では、全国で集めた小型家電から金銀銅原料を回収してメダルを製作した「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」に事務局の一社として参加したそうです。

 

見学をさせて頂くと日々進化していく製品のひとつひとつを、人手を介して瞬時に見分けて分別していくのは、大変な作業だと実感しました。

今後は、太陽光パネルなどの廃棄が多くなってくるのではと予想されていますが

技術が発達したり、小型化や海外製品が多くなるほど、分解をしたり選別するのが難しくなる、というお話が印象的でした。

高効率、高精度なリサイクルを実現している最先端の工場には、小学生を始め年間2,000名もの方が見学に訪れるとのことです。

 

株式会社リーテムの関連記事はこちら↓

【特集】「東京スーパーエコタウン」ってどんなまち?城南島の先進的なごみリサイクル施設を訪ねる | Unique Ota

 

 

バスツアーを終えて

参加した学生に感想を聞くと「工場の現場がきれいでびっくりした。」と返ってきました。

確かに今回見学した3社とも整理整頓がされていてきれいです。

安全の基本とされている5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)が徹底されているのだと思いました!

また、ご協力いただいた企業にお話しをお伺いすると、今回のように若い世代に企業のことや業界のことを知ってもらうことが、今後の人材獲得のために重要だと考えられているのだと感じました。

機械設計科の岡崎先生も、学生は機械設計を学んでいるところだが、机上だけではなく、実際の製造現場を見ることは重要。また企業の経営者などに直接話を聞ける機会は大変貴重です、というお話でした。

 

日本工学院専門学校の機械設計科1年生の皆さん

 

お問い合わせ

産業振興課(調整・工業担当)

電話:03-5744-1376

FAX:03-6424-8233