「ものづくりのまち」大田区で奮闘する若手人材のなみなさんから、具体的な仕事内容や職場環境、日々感じていることなどをお聞きしています。
ものづくりの世界で、それぞれのチャレンジを始めた“ルーキー”の皆さんのリアルなお話から、大田区のものづくりを身近に感じていただければと思います。
今回は、お二人の女性にスポットを当てました。
Vol.7 お一人目:シャギリー 歌恋 さん (有限会社 大源製作所)
●この会社に入社した経緯は?
入社して3年目になりまして、祖父がこの会社の社長になります。
高校生の頃にバイクの免許を取って、バイクのマフラーなどをカスタムするようになり、それがきっかけで、メカニックな仕事をしたいと思うようになりました。
その前は、ヘアメイクの仕事をしたいと思っていたので、ずいぶん意識が変わりましたね(笑)
それと、これまで祖父には旅行に連れていってもらったり、ずいぶん可愛がってもらっていたので、恩返ししたいという思いもありました。
会社に入る前には、東京都立城南職業能力開発センターで半年間、溶接の基礎コースを学びました。
同時期に一緒に学んだのは3人だけで、女性は自分ひとりだけでした。
私は、いまの会社に入ることが決まっていましたが、他の2人もすぐに就職が決まっていました。
●現在、どんなお仕事をしているのでしょうか?
会社は、バイクやトラックのメーカーから発注を受けて、シフトレバーなどを製造しています。
自分が担当しているのは、溶接や曲げ加工です。
職業能力開発センターで、溶接の基本的なことは学びましたが、実際に仕事としてやると、やっぱり覚えるのに時間がかかります。
どのような仕組みなのか、どのようなところが危険なのかなど、基本的なことはわかるのですが、実際の作業は難しいです。
溶接は、外見がきれいでも、中がしっかりできていないと折れることがあります。
熱の入り方で金属の色が変わりますし、ハンマーで叩いたり、音を聞いたりして、良品か不良品かを判断したりします。
同じ姿勢でずっと作業することが多いので、結構疲れますし、腰も痛くなります(笑)
私は、集中して仕事がするのが好きなので、あっという間に終業時間になる感じです。
動き回るのが好きな人は、あまり向いていないかもしれませんね(笑)
●仕事のどのようなところが楽しいですか?
やっている仕事について、周りからすごいね!と言われるのがうれしいです。
また、自分が手掛けた部品が組み立てられて、バイクなどの完成品になったのを見ると、やりがいを感じます。
それと、やっぱり溶接がうまくいったときはうれしいですよ。
いまは、決められた作業のものしかできませんので、先輩方のように応用がきくようになりたいです。
そして、いずれは自分のバイクを溶接できるようになりたいです。
Vol.7 お二人目:徳原 真由美 さん (有限会社 大源製作所)
●この会社に入社した経緯は?
入社してから5年目になります。
祖父が社長で、母が次期社長として事業承継するのが決まっています。
歌恋さんとはいとこ同士なのですが、これまで同年代はいなかったので、入社してもらってよかったです。
高校生の頃に、人手が足りずにアルバイトをしていたので、なんとなく自然に就職することになりました。
もともと祖父の工場で母も働いていましたので、子供の頃から工場が遊び場でした。
今の担当は、シフトノブのパーツの製造で、曲げや切削、ねじ切り*などをしています。
小さいころから仕事を見ていましたが、実際にやってみると大変でしたね。
*ねじ切り:素材に対してねじ山を作ること。「おねじ」を作る加工と、「めねじ」を作る加工の2種類に大別される。一般的に「ねじ」と呼ばれる製品に対して設けられるのが「おねじ」、ねじを挿入される側に対して設けられるのが「めねじ」。
●職場の雰囲気はどうですか?
いま、子育てをしているのですが、子供が生まれてからは、この環境がより一層ありがたく感じています。
職場はほとんど親族なので、体調が悪いときなども気軽に話ができます。
就業時間も、9時~16時30分まで(休憩時間は45分)ですし、残業もありません。また、休日も多いほうだと思いますので、子育てには大変助かっています。
●今度どうしていきたいですか?
設計図の見方や機械のプログラミングの仕方など、まだまだ勉強することがたくさんあります。
仕事の手が空いたときは、祖父が設計図の見方などを教えてくれて、みんなで一緒に勉強しています。
母が次期社長になりますので、母を支えられるようになりたいです。
有限会社 大源製作所
本社:東京都大田区本羽田2丁目11番地2号
設立:昭和45年1月
事業概要:自動車用部品・用品製造、オートバイ用部品などのパイプ及び丸棒の曲げ加工・組み立てなど。
問い合わせ先
産業振興課(工業担当)
電話:03-5744-1376
FAX:03-6424-8233
大田区のものづくりに関する過去の記事
新連載・大田ものづくりROOKIES Vol.1
https://unique-ota.city.ota.tokyo.jp/news/rookies-vol-%ef%bc%91/
新連載・大田ものづくりROOKIES Vol.2
https://unique-ota.city.ota.tokyo.jp/news/rookies-vol-%ef%bc%92/
新連載・大田ものづくりROOKIES Vol.3
https://unique-ota.city.ota.tokyo.jp/news/ota-manufacturingrookies-vol-3/
人気連載・大田ものづくりROOKIES Vol.4
https://unique-ota.city.ota.tokyo.jp/news/ota-manufacturingrookies-vol-4/
人気連載・大田ものづくりROOKIES Vol.5
https://unique-ota.city.ota.tokyo.jp/news/ota-manufacturingrookies-vol-5/
人気連載・大田ものづくりROOKIES Vol.6
https://unique-ota.city.ota.tokyo.jp/news/ota-manufacturingrookies-vol-6/
大田区のものづくりについては
https://unique-ota.city.ota.tokyo.jp/charm/industry/craftsmanship/
創造力に溢れたものづくりについては
https://unique-ota.city.ota.tokyo.jp/charm/industry/pickup-202004-01/
産業のまち発見隊レポートは
https://unique-ota.city.ota.tokyo.jp/news/sangyounomachihakkentai_202308/
https://unique-ota.city.ota.tokyo.jp/news/sangyounomachihakkentai_20240820/