「ものづくりのまち」大田区は、中小製造業が集積しており、多くの若手人材が、ものづくりの現場で奮闘しています。
本インタビューでは、そんなみなさんの具体的な仕事内容や職場環境、日々感じていることなど、生の声をお届けします。
ものづくりの世界で、それぞれのチャレンジを始めた“ルーキー”の皆さんから、リアルなお話をお聞きすることで、大田区のものづくりを身近に感じていただければと思います。
Vol.2 東本 啓 さん (有限会社関鉄工所)
●この会社に入社した経緯は?
この会社に入ったきっかけは、アルバイトとして働いていた居酒屋の社長が、今の会社の関社長と知人だったからです。
その当時、漠然と工場で働きたいと思っていました。
何か特別な理由があってものづくりがしたい、と思っていたわけではないのですが、コツコツと落ち着いてやる仕事がいいな…と思っていました。
アルバイト先は、今の会社に近い場所にあったのですが、特に大田区がものづくりのまちだから、というのは、意識していませんでしたね。
居酒屋の社長に話をしたところ、知人の関社長を紹介してくれて、すんなり採用が決まりました。家からも近いので、今も自転車で通っています。
実は・・・、以前は、小劇場で舞台俳優をやっていまして…。
小さい頃から、テレビ俳優になるのが夢でした。
それで夜にできる仕事として、居酒屋で働いていました。
それが、コロナのときに舞台ができなくなり、年齢のことも考えて、その夢は諦めて就職することにしました。
いまも舞台は観に行きますが、いちファンとして楽しんでいます。
来年の1月で丸2年になります。
まったくの未経験から始めたので、まだまだわからないことがたくさんあります。
会社の事業としては、主に産業用機械の組立てや大型部品の製造です。
例えば、プラスチックや缶などの容器を製造するための機械の製造になります。
私がやっているのは、旋盤*1やフライス盤*2を使った金属の削り出しや、取引先への納品などです。
*1旋盤:金属を加工する工作機械で、加工したい素材を回転させ、刃物をあてることにより、円筒形状に削り出す機械のこと
*2フライス盤:刃物を回転させて金属などを切削する機械のことで、フライスは刃物を指す。
●どんなところが難しいですか?
すべてが難しいです。
その都度、先輩の皆さんに教えてもらいながら仕事をしています。
専門学校などで基本的なことを学んでいれば、もう少し楽だったかもしれませんが、技術の面でも、知識の面でも、覚えることがたくさんあります。
技術面で言うと、図面の見方や機械の操作の仕方、どのような工程で作業をしていけば最適か、などがわからないといけないです。
また、知識の面でもいろいろあります。
鉄やアルミ、ステンレスなど様々な材質を扱いますが、強度の違いや、溶接、曲げ、焼入れと言った加工方法も異なってきます。
同じ鉄という部類でも常時扱うものでも30種類ぐらいあり、それぞれ特徴や扱い方が違います。
納品先で説明が必要だったり、質問があったりするので、答えられるようにならないといけないので大変です。
未経験でもできると思いますが、覚えることがたくさんありますね。
本などで学ぶこともありますが、ネットで調べることのほうが多いかもしれません。
また、自社開発した介助型車いすを組み立てたりすることもあります。
この車いすは、社長が、株式会社カラーズという福祉関係の企業から相談を受けたことがきっかけで共同開発したものです。
介護現場で働くスタッフや利用者の困りごとを解決する、ということで協力したらしいのですが、工業と介護の業界では、使う用語や“常識”が違っていて、苦労したと聞いています。
毎日の仕事内容としては、日々いろいろな作業をやるので、飽きはこないですね。
●ものづくりのお仕事は楽しいですか?
仕事は、楽しい・・というよりも、やりがいがありますね。
自分が携わった機械で、プラスチックや缶などの容器ができて、最終的にはそれが一般の人に使われるのは、ちょっと誇らしいです。
人間関係はいいですよ。
人数は少ないですが、先輩の皆さんにいろいろ教えて頂いて仕事をしています。
外出が楽な介助型車いす「COLORS」の組立
令和2年度「大田区中小企業新製品・新技術コンクール」最優秀賞受賞
※大田区の町工場を一斉公開するイベント「おおたオープンファクトリー」が、今年は11月30日(土)に大田区全域で開催されます。
関鉄工所もスペシャルイベント「まちこうばがやってくる!2024」に出展します。ぜひおでかけください。
おおたオープンファクトリー
スペシャルイベント「第7回まちこうばがやってくる!2024」
https://o-2.jp/mono/oof2024/specialevent/specialevent-2890/
有限会社 関鉄工所
本社: 東京都大田区大森西6-7-11
創立: 昭和26年5月
事業概要: 産業機械に関する部品製造、設計、組立、修理、出張修理
問い合わせ先
産業振興課(工業担当)
電話:03-5744-1376
FAX:03-6424-8233
大田区のものづくりに関する過去の記事
新連載・大田ものづくりROOKIES Vol.1
https://unique-ota.city.ota.tokyo.jp/news/rookies-vol-%ef%bc%91/
大田区のものづくりについては
https://unique-ota.city.ota.tokyo.jp/charm/industry/craftsmanship/
創造力に溢れたものづくりについては
https://unique-ota.city.ota.tokyo.jp/charm/industry/pickup-202004-01/
産業のまち発見隊レポートは
https://unique-ota.city.ota.tokyo.jp/news/sangyounomachihakkentai_202308/
https://unique-ota.city.ota.tokyo.jp/news/sangyounomachihakkentai_20240820/