「産業のまち発見隊」は、大田区のものづくりに触れることができる体験型イベントで、例年、多くの皆さんにご応募いただいている大人気企画です。大田区在住・在学の小学校４～６年生の皆さんが“発見隊”となって、工場見学やものづくりを体験し、地域産業やものづくりの魅力を知ってもらう機会となっています。
ご参加いただいた皆さんは、どんなことを“発見”したのでしょうか？
(令和６年８月20日（火）開催)
テレビドラマのロケ地として知られるあの企業へ！
午前中の行程は、TBSドラマ「下町ロケット」のロケ地となった株式会社桂川精螺製作所さんへ。
本社の玄関を入ると、懐かしいあのマークが！
現在は、新社屋になりましたが、ロケで使われていた旧社屋の鉄塔の先端が、会社のシンボルとして現在も展示されています。早速、参加者の皆さんのミニ写真スポットになっていました。
桂川精螺製作所は、さまざまな金属の材料を削らずに変形させる「塑性加工」という技術を得意としており、主に自動車部品などを扱っています。
現在では、航空・宇宙分野にも進出しており、株式会社ダイモンが開発する、月面探査車「YAOKI」の開発プロジェクトにも参画し、ドラマさながらの世界で活躍しています。
工場見学とねじづくりを体験
取締役の大嶌さんから会社概要などのお話をお聞きしたあとは、工場内を見学。
見学前の注意事項では、「落とし物をしないように」という話がありましたが、もし出荷した製品に異物が紛れ込んでしまうと、そのとき出荷した製品を全部検査し直さなければならない、というお話を聞いて、製造現場の管理の厳しさをうかがい知ることができました。
工場内では、大きなコイル（線状の金属）から六角ボルトを製造する工程を見せて頂きましたが、切断、変形加工などを経て、1日数万個もの部品をものすごいスピードでつくり上げていく過程には、子どもたちだけでなく、興味深々のお父さん、お母さんからも質問があがりました。
次は、ねじづくりの体験です。
桂川精螺製作所では、使わなくなった機械を改造して、手動でねじを製作する体験ができるようにしています。
子どもたちは、社員の皆さんからひとつひとつの工程を丁寧に教えていただき、加工機を手動で回してねじを製作します。金属からねじができるまでの過程をつぶさに知ることができ、子どもたちからは、「思ったよりも力がいる！」「楽しかった！」 などの声があがりました。
自分で作ったねじは、ストラップに加工。最後は、思い出となるお土産を持って帰ることができました。
写真） ねじの製作体験。左からトリーマー、カムス、ローリングの工程。
月面探査車のスゴさを実感！
桂川精螺製作所は、ダイモン社が開発している月面探査車「YAOKI」の製作に協力しています。月にモノを運ぶには、１㎏の積荷に対して１億円かかるといわれている中、「YAOKI」は手のひらサイズの超小型にすることで、コストを抑えています。
月の重力は、地球の1/6。その中で、月面探査車は活動しなくてはなりません。
そこで、５メートルの高さから探査車を落下させることで、人工的に1/6の重力を作り出し、実際に動くかどうかの実験も見せていただきました。目視はできませんが、スローモーション動画で確認すると、しっかりと動いている様子がわかり、皆さんから歓声があがりました。
また、ダイモン社の社員の方もいらっしゃって、「YAOKI」を操縦する体験もさせていただき、実際に動く様子も見ることができました。この探査車が月で活躍する日も近いようですので、報道発表が楽しみです！
こうして、午前の体験は終了。午後は、日本工学院専門学校で「バーサライタ」（並べたLEDを高速で動かすことで残像による模様を表示するディスプレイ）作りを体験して、充実の1日となりました。
写真左） 月の重力を想定した月面探査車の実験
中・右） 月面探査車「YAOKI」の操縦体験
株式会社 桂川精螺製作所
住所： （本社） 東京都大田区矢口3-24-1
（写真）桂川精螺製作所とダイモンの社員の皆さん
さいごに
大田区では、ものづくり体験イベントの実施や、小学生を対象とした「おおたの未来づくり」という独自教科などに取り組んでいます。
このような取組は、子どもたちに「ものづくりの世界に触れてもらいたい！」「将来ものづくりに関わって欲しい！」という、企業様の協力とご厚意に支えられています。
機会がありましたらぜひ参加して頂き、大田のものづくりに接してみてください！
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問い合わせ先
産業振興課（工業担当）
電話：03-5744-1376
FAX：03-6422-8233
