次に訪れたのは、大田区久が原に本社と工場を構える老舗事業者「大塚製靴」。
創業は1872年(明治5年)。文明開化の真っただ中、日本にまだ靴を履く文化が十分に根付いていなかった時代から続く、既存する日本最古の靴の専門メーカーです。
創業者の大塚岩次郎は、製靴技術を学んだのち、現在の新橋付近に「大塚商店」を創業。「これからは靴の時代が来る」と見据えたそのとき、まだ14歳。若き創業者の先見性に驚かされます。
その後、時代に合わせて、軍用靴の製造や戦後の高度経済成長期とともに発展し、成長してきました。
会社の歴史が刻まれる社史
そして現在、大塚製靴が力を入れているのは、「日本の職人がつくる革靴」の価値を伝えること。
2017年に工場、そして本社を大田区へ移転したのを機に、1点ものをはじめとする高品質の靴の製造に力を入れています。
久が原の工場では、主に「グッドイヤーウェルト製法」と呼ばれる靴底を縫い合わせて作る製法での靴づくりを行っています。革の裁断から縫製、底付けまで、昔ながらの手仕事を活かしながら、自社で一貫する体制は、日本国内では非常に珍しくなっているそう。
足型を細かく計測して仕立てるオーダーメイドや、型を選んで仕立てるパターンメイドの製品にも力を入れており、「自分の足に本当に合う靴」を求める人たちから支持を集めています。
今回は特別に、お客様の足型を基に、制作される靴製造の様子を見せていただきました!
こちらはフランスから輸入した子牛の革。自動裁断機を使ってパーツを切り出します。
切り出されたパーツからは、まだ靴の形は見えてきません。
次に、職人さんが一つずつミシンで縫い付けていきます。下準備を含めると工程が非常に多く、1日にできる作業数はわずか3足ほどだそう。
一般的にはゴムが貼り付けられていることが多い靴底もすべて牛革が使われていて、手縫いでしっかりと縫い付けて仕上げられます。
靴底にはコルクが入っており、履くほどに足にしっかりとなじみます。縫い合わせて作るため非常に丈夫で、修理をしながら長く履き続けることができるため、50年以上履き続けているお客様もいるのだとか。
成人のお祝いなどに、「一生履き続けられる革靴」として選ばれることも多いそうです。
続いて、こちらは既製品の製造ライン。機械の力を借りますが、それでも工程ごとに職人の手が入り、完成に要する時間は約1週間。
最後は靴底までしっかりと整えられて美しく磨き上げられ、お店へと届けられます。
店頭に並ぶピカピカの革靴を見るときの高揚感は、こうした丁ねいな仕事の積み重ねから生まれているのですね。
150年以上の歴史を持ちながら、時代に合わせて姿を変えてきた大塚製靴。「しっかりと長く使える商品を届けたい」思いとともに、今日も大田区で、靴づくりに取り組んでいます。
オーダーメイド部門のスタッフ
大塚製靴
本社所在地:東京都大田区久が原2-24-24
<直営店>
シューマニュファクチャーズ[オーツカ]
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ ウエストウォーク4F
営業時間:11:00~20:00 (年中無休)