カウンターの向こうで寡黙な職人さんが技を凝らしたこだわりのネタを静かに堪能する…。
回らないお寿司屋さんといえばそんな楽しみ方が一般的ですよね。ですが、こちらの【高砂寿司】さんは一味違います!
東雪谷で二代続けて地元に根付いている老舗で“美味しい”お寿司屋さんとして知られている【高砂寿司】。その特徴は一流の腕を持ちながらも、「お客様に楽しんで頂けるならなんでもトライしてみよう!」という信条の下、ちょっと変わった寿司からアイデア満載の企画までお客さんを飽きさせない工夫を凝らした、美味しくて楽しいお寿司屋さんなのです。
例えばこちらのミニチュア寿司。手前に置かれているお箸とのサイズの違いでどれだけ小さいかわかっていただけるでしょう。なんと米一粒をさらに小さく切ってこのサイズにしているんだとか。
それにしてもこの小ささには驚愕です。ご主人がどれだけ繊細な技を大事にしているかがわかりますよね。
通常のまぐろ一貫と比べてみるとその小ささは一目瞭然! 作り始めたキッカケもやっぱり「お客様に驚いて頂きたい」と思ってチャレンジしたのが始まりだそう。
さらにこちらはアメリカ西海岸のSUSHI BARに行くと必ずと言っていいほどラインアップされているアチラの定番メニュー、カリフォルニアロール。
ん? 高砂寿司は先ほども書いたように二代続いている老舗寿司店。むしろこういった類は邪道と思うんじゃないかって? そう、そこが店主、菅田勇樹さんのオープンマインドなトコロなのです。
実はその昔、このお店を改装するため長期で店を閉めた際にご店主、なんとアメリカに数ヶ月間出稼ぎ?に行っていたそうです。その旅のなかでアメリカ人がSUSHIをどう捉えているか、がとても参考になったんだとか。
その時の経験も踏まえ、カリフォルニアロールを始めとしたアメリカ風のものを揃えたり、メニューにも英語版を用意するなど、外国人を意識した営業展開を取り入れました。
その結果、羽田空港が近いこともあり、外国人のお客さんが急増! なかには日本に来る度に寄ってくれるという“常連”さんも少なくないそうです。
もちろん和食の誇り“江戸前寿司”にこだわるのも忘れてはいません。例えばこちらの「シンコ」。コハダの幼魚で仕入れも高値なのですが、何より繊細さを必要とする仕込みに手間の掛かるネタ。こういったネタを積極的に取り入れるのも【高砂寿司】のこだわりなのです。
こちらはバラエティ溢れる新鮮なネタが存分に楽しめる人気メニュー「ばら寿司」。営業日には毎朝豊洲市場に出向き、良いネタを仕入れているからこそできるメニューでもあります。
また、寿司の美味しさの可能性を提案してくれる「プレミアムワインパーティー」という寿司ネタに合うワインが堪能できる企画を定期的に開催するなど、従来の寿司店にはない楽しいアイデア企画も。それもこれも二代目店主の勇樹さん(写真左)と奥様の嘉子さん(写真右)が「お客様が楽しめるならば」という柔軟な思考の持ち主だからこそ。
老舗で味も確か、それでいて時代にマッチした感覚で日本古来から親しまれている“寿司”をブラッシュアップし続けている【高砂寿司】。どうです? ちょっと一貫つまみに来訪したくなったでしょう。