【大田ものづくりROOKIES Vol.11】~若手ものづくり人材のリアルな日常~

本連載では、「ものづくりのまち」大田区で奮闘する若手人材のなみなさんから、具体的な仕事内容や職場環境、日々感じていることなどをお聞きしています。

ものづくりの世界で、それぞれのチャレンジを始めた“ルーキー”の皆さんのリアルなお話から、大田区のものづくりを身近に感じていただければと思います。

Vol.11 皆川みながわ卓哉たくや さん (株式会社 志村精機製作所)

 

●この会社に入社した経緯は?

会社に入社して、4年目になりました。

入社する前は、別の企業に勤めていまして、ある業界の営業をしていました。

いろいろな人と話をするという点では、営業の仕事は楽しかったのですが、売上を上げるプレッシャーが大変な業界でして。

転職しようかどうか悩んでいたときに、知人から「いい企業が採用活動をしているので、見学に行ってみないか」と誘われ、紹介してもらったのが志村精機製作所でした。

大変ありがたいことに、入社が決まる前に4~5回会社訪問をさせていただきました。

千葉在住でしたので、最初に千葉工場、そして東京本社、東京第二工場とすべて行きました。

また、相談役、社長、副社長、役員の方、社員の皆さんとお会いして、お話をお聞きしました。

正式に採用面接をして、という段取りではなかったのですが、逆に社員の皆さんの様子や会社の雰囲気がよくわかり、入社を決めました。

事前にこれだけ会社訪問させていただいたので、入社後のギャップはなかったですね(笑)

 

●いまは、どのような仕事をされていますか?

会社は、金属や樹脂を切削する精密加工をしています。

主に、事務機器や医療機器、カメラや時計などの精密部品になります。

試作部品の開発がほとんどで、ミクロン単位の精度を出す加工を得意としています。

「磨き」の工程で、角が丸くなってしまう「ダレ」を出さない、面精度が高い「鏡面加工」が可能。

機械加工のみでできるノウハウがあり、その応用技術を使った依頼も多い。

 

私がいま担当しているのは、主に樹脂の切削加工になりまして、機械操作もありますし、仕上げなどで手作業することもあります。

手作業で仕上げを行うのは、大変難しいですね。

特に樹脂は柔らかいので、ちょっとした力加減や刃物を入れる角度で削り具合が変わってきます。なかなか言葉では表現しづらいのですが、本当に手の感覚でやる感じです。

 

基本的に、すべてが受注生産になりますので、1点ものの場合もありますし、1000個程度まとめて作業をする場合もあります。

その都度、現場の主任の指示に従って、製品の納期に合わせて仕事を調整していきます。

イチからモノを作るというのは、楽しいですね。キチンと仕上げられると、達成感があります。

 

仕事は、まだまだ覚えることがたくさんあります。

入社して最初は、千葉の工場で働いていたのですが、その時は副社長から3か月間つきっきりで仕事を教えていただきました。

今は、東京第二工場で働いているのですが、1週間に1回、社長に座学で講習をしてもらっています。内容は、図面の読み方から検査方法までいろいろでして、こちらからリクエストすることもあります。

今は、工具の種類や扱い方について学んでいます。

工具の種類や特徴といった基本的なことから、プログラマーがCADで設計をして、CAMで加工データを作成する際に、なぜその工具を選択するのか、といった視点についても教えて頂いています。奥が深いです。

 

●会社の雰囲気はいかがでしょうか?

会社の雰囲気はアットホームですね。

社長が明るく、話しやすい雰囲気なので、とても助かっています。

最初に働いていた千葉工場は20代が多いですが、東京は平均年齢が高めです。

東京第二工場では、自分が一番年下なので、ぜひ後輩に入ってきて欲しいです!

 

工場は、もくもくと仕事をするイメージがありますが、実際は逆でよく話をします。

コミュニケーション力がないと仕事になりません。

日頃から人間関係がよくないと、細かいところを気軽に聞くこともできないので、とても大事だと思います。

お昼休みは外食する人と、休憩室でお弁当を食べる人と半々ぐらいですね。

休憩室のテレビでネットフリックスを見たりして、結構自由です(笑)

 

今後どうしていきたいですか?

これまでの仕事の経験も生かして、将来的には営業をやりたいと思っています。

以前にやっていた営業は、自社の決まった商品・サービスの内容だけをわかっていればよかったのですが、当社はすべてが受注生産になりますので、製品、材料、技術など、さまざまなことを網羅的にわかってないと、お客様の要望に応えることができません。

会社のほうでも私のキャリアを意識して頂いているようでして、まずは現場の技術を学ぶために3つの工場のいろいろな仕事を経験させてもらっています。

会社からは近い将来に営業に、と言われて期待をして頂いていますが、自分ではまだまだだと思っています。  

まずは、現場のことをよく知って、一人前になれるように頑張りたいと思います。

 

 

株式会社 志村精機製作所

東京本社:東京都大田区東馬込1-49-6

設立:昭和42年2月

事業概要: 

・樹脂、金属の試作と量産

・精密機器、事務機器、光学機器、医療機器の切削加工  

・金型の設計と製作 等

 

 

問い合わせ先

産業振興課(工業担当)

電話:03-5744-1376

FAX:03-6424-8233

 

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