「ものづくりのまち」大田区で奮闘する若手人材のなみなさんから、具体的な仕事内容や職場環境、日々感じていることなどをお聞きしています。
ものづくりの世界で、それぞれのチャレンジを始めた“ルーキー”の皆さんのリアルなお話から、大田区のものづくりを身近に感じていただければと思います。
Vol.9 渡邊 陽一朗 さん (株式会社 小池製作所)
●この会社に入社した経緯は?
この会社に入社してまだ1年半ぐらいです。
転職を機に、静岡から上京しました。
求人サイトで転職先を調べていたのですが、「溶接」の文字に興味を惹かれて応募しました。
なんとなく「溶接」のイメージが、カッコいいなと思いまして(笑)
また、もともと手先が器用だったので手作業が好きでしたし、作る技術が身につけば、自分に自信もできると思いました。
就職先として選んだ決め手は、やっぱり会社の雰囲気でしょうか。
会社に応募して、社長と専務、常務の3人に面接をしていただいたのですが、社長が若いので、なんとなく和やかな感じで、話もしやすかったですね。
製造業での経験はあったものの、小池製作所は受注生産のため初めてのことも多いということで少し不安だったのですが、入社してからしっかり教えてもらえるという話を聞いて安心しました。
●実際に入社してみていかがでしたか?
会社の雰囲気はいいですよ。
残業がほとんどないので、だいたい朝・夕の決まった時間に、自然にみんなが集まってきて、よく話をします。
人数は少ないですが、それぞれの年齢層の人達がいますので、コミュニケーションは取りやすいですし、相談もしやすいです。
20代は、私ともう一人だけですので、先輩達にかわいがってもらっています。
いろいろな面で、得していますね(笑)
また給与も大事な点ですが、しっかり昇給していく制度があるので全然問題ないです。
有給休暇も取りやすいので、プライベートも充実しています。
川崎市内に住んでいるのですが、生活や通勤にも便利ですので、今のところ会社に不満はないです(笑)
●現在、どんなお仕事をしているのでしょうか?
会社は、船舶レーダーの組み立てノウハウを活かして、放送局向けシステムや防衛装備品などさまざまなジャンルの金属加工に対応しています。
お客様のご要望に応じて、設計から加工、溶接、表面処理、組み立て、仕上げ、検査までワンストップで行っています。
私の仕事としては、加工、組立、検査などいろいろな工程に携わっているのですが、今は、主に「溶接」をすることが多いです。
一言で「溶接」といっても、いろいろなやり方がありまして、私は1年目でアーク溶接*1とガス溶接*2の資格を取りました。
*1アーク溶接: 空気(気体)中の放電現象(アーク放電)を利用して、同じ金属同士をつなぎ合わせる溶接方法。
*2ガス溶接: 可燃性ガスと酸素が結び付き、燃焼する際に発生する熱を利用して金属の接合を行う溶接方法。
受注生産が多いため、製品によってその都度対応が変わります。
材質は、アルミや鉄、ステンレスなどが多いのですが、それぞれ硬さや厚みなどが違うので、微妙な温度調節や力加減が必要だったりします。
また、製品の大きさや形状なども様々なので、変わった体勢で作業することもあります。
やっぱり「溶接」は難しいですね。
先輩の皆さんは、作業も早いのですが、出来上がりの見た目もキレイなんです。
溶接した部分にできる「水たまりのような盛り上がり」のことを、ビードというのですが、その大きさや間隔などが均等で美しいんです。
うまい人は、溶接で文字も書けるぐらいです。
数をこなさないとできるようにならないので、都度先輩に教えていただき、試行錯誤しながら必死でやっています。

【TIG(ティグ)溶接の様子】 TIG(ティグ)溶接とは、アーク溶接の一種で、 溶接部分に不活性ガスを充満させた状態で、 タングステン電極から電気を放電することで溶接する方法。

【ティグ溶接機のトーチと呼ばれる部分】 先端がタングステン電極で、溶接素材によって種類や太さを変える。
また、板金屋さんなど加工をお願いする協力会社に発注をするために、見積書等を作成することもあります。
見積書を作成するには、切る、曲げるなどの作業指示や、簡単な図解が必要だったりします。
知識と経験が必要な作業なのですが、人材育成も兼ねて少しずつ任せてくれているようです。
●仕事のどのようなところが楽しいですか?
新しいものをやるとわくわくしますね。
今は、だいたい先輩の方からその都度指示があって、毎日違うことをやる感じです。
どうやったらうまくできるのか、考えながら仕事をしています。
よいものを作りたいと思って、日々試行錯誤しながら取り組んでいます。
●今度どうしていきたいですか?
一人前になりたいです。
一人前というのは、ある製品に掛かる顧客とのやりとりが、全部できるようになることでしょうか。
顧客の要望を聞いて見積書を作成し、部品の調達から加工、組み立て、完成品の納入まで、一連の仕事が自分でできるようになりたいです。
ひとつの製品を仕上げていくためには、治具*3を自ら製作することもあるなど、いろいろな知識と技術が必要です。
知らない用語は、ネットで検索して調べるなど、日々コツコツと勉強しているところです。
*3治具(じぐ): 加工物(ワーク)を固定して、位置決めをしたり、加工しやすくしたりする補助工具のこと。
株式会社 小池製作所
本社:東京都大田区西六郷4-12-19
設立:昭和32年9月
事業概要:船舶レーダー製造、金属製品の設計・加工・表面処理・組立
令和6年度 大田区「優工場」認定企業
https://www.pio-ota.jp/yukoujou/company/detail/58
問い合わせ先
産業振興課(工業担当)
電話:03-5744-1376
FAX:03-6424-8233
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